窪田義行六段の持ち味

昨日の朝日杯将棋オープン戦 高橋道雄九段-窪田義行六段戦が、お互いの持ち味の出た、非常に力の入った熱戦。

窪田義行六段の、独特かつ振飛車らしい指しまわしが決まった一戦だった。

そして、将棋の内容とともに絶妙だったのが、銀杏記者の中継。

対局時の、高橋道雄九段の静、窪田義行六段の動、が見事に描かれており、臨場感満点。

窪田義行六段の対局中のアクションが面白い。

(→朝日杯将棋オープン戦中継

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7手目

窪田は△3二銀と指してから、黒いバッグからガサゴソと炭酸入り天然水や栄養ドリンクを取り出した。高橋は気にする風もなく、冷静に▲5八金右と上がった。

14手目

窪田は左手で顔を覆ってから腰掛け銀に構えた。

16手目

結局、窪田の作戦は三間飛車。窪田はシックな扇子袋から扇子を取り出し、パタパタあおいだ。

22手目

窪田は△7一玉を着手した後、炭酸入り天然水のビンを開けて耳元に近づけた。炭酸が入っているか確認したのだろうか。消費時間は高橋8分、窪田11分。

30手目

高橋の姿勢はさほど変わらないが、窪田は左手で顔を覆ったり、飲み物をグラスに注いだりと動きが多い。

32手目

窪田は駒を高く持ち上げる独特のモーションで石田流に構えた。

42手目

窪田は何度も左手で顔を覆っている。棋士の癖は多いが、窪田のアクションもその一つだろう。

※この後、73手目、94手目、121手目で顔を覆う。

43手目

駒台を見ると、高橋は銀と歩を横に並べているが、窪田は銀と歩を縦に並べて腰掛け銀のような形にしている。

49手目

この手を見て、窪田が何度もうなずく。

※この後、67手目、105手目、135手目でも窪田六段がしきりにうなずく。

50手目

待望の一手で、後手の角も働いてきた。窪田、髪型を整える。

70手目

「うー…」。低いうめき声を上げて銀を引いた。

92手目

窪田は1分将棋でも指し手を決めているときはすぐに指す。高橋はいつも50秒を読まれてから盤上に手が伸びる。

95手目

窪田は「30秒」の声に「はいっ」と答える。

97手目

1分将棋のさなか、窪田はバッグをガサゴソさせて茶色のビンを取り出した。盤側からでは、何が入っているのかは判別できない。

104手目

窪田は「30秒」や「40秒」の声に「はいっ」と答えてから着手している。

106手目

窪田は金を取ってから、茶色のビンを開けて、中の目薬をすばやく差した。

120手目

なんと、窪田の持ち歩は9枚。窪田は扇状に並べているため、駒台の左下から右上までひとつなぎになっている。

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私は、97手目の茶色のビンは何か特別な栄養ドリンクなのではないかと期待したのだが、106手目で目薬と判明して、思わず笑ってしまった。

窪田義行六段は、タイプは違うものの、加藤一二三九段と同様、テレビで見てみたい棋士だと思う。

窪田六段には何度も将棋ペンクラブのイベントに出ていただいている。

窪田六段は、将棋に対して非常に真摯。将棋ファンのことも常に考えている棋士だ。