日本将棋連盟女流棋士会「駒桜」のサイトの各女流棋士のプロフィール欄に書かれている「行きつけ・おすすめの店」探訪。
第8回目は竹部さゆり女流三段。
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竹部さゆり女流三段の行きつけ・おすすめの店
→千駄ヶ谷一丁目店(ドトール)
ドトールは、1962年にコーヒー焙煎会社として設立された。1972年にカフェ コロラド、1980年にドトールコーヒーショップ、1985年にオリーブの木、1996年にカフェ マウカメドウズ、1998年にル・カフェ ドトール、1999年にエクセルシオール・カフェを出店している。
また、2007年には日本レストランシステムと経営統合し、共同持株会社「ドトール・日レスホールディングス」が設立されている。
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私は高校時代までは非常に真面目で、喫茶店には一度も足を運んだことがなかった。校則でも禁じられていた。
厳密には高校2年の春休みに親戚の女性に連れて行ってもらった鎌倉の喫茶店が初めての喫茶店となるが、成人の親戚と一緒なので迫力がない。
本当の意味で喫茶店に行き始めたのは大学に入ってからだった。
大学の周辺は喫茶店と雀荘と居酒屋だらけ。
友人達と顔を会わすと、必要最低限の授業に出たあとは、残りの授業をサボって喫茶店へ行ってそのまま直帰ということが多かった。
あの時代は、「軽い心」「青い城」「人形の家」という、今から考えればとても変な名前の喫茶店によく通っていた。
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大学2年の7月9日(土)、憧れの女子大の子との初めてのデートで、銀座の資生堂パーラーへ行った。
私はメロンジュース、彼女は紅茶とレアチーズケーキを頼んだ。
チーズケーキにレアとか何かがあるのかと初めて知った。
メロンジュースは、純粋にメロンを搾っただけのジュースで絶品だった。
しかし、今から思えば大学生にとって資生堂パーラーは分不相応である。
背伸びしすぎたデートをするような時は、結果的に好ましい結論をもたらさないことが多い。
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初デートはしっくりした感じではなかった。
その時、彼女に夏休みのレポートを頼まれた。
彼女は国文科だった。頼まれたのは、美学「能について」、心理学「動機付けについて」。
ちなみに私は理系の学科だ。
能は本を買って読んで、埼玉の親戚の知り合いに陶芸をやる人がいるというので、夏休み前に「わび・さび」の極意を聞いて、仙台の実家でレポートをまとめあげた。
能は伊勢物語をベースとしたものが多く、在原業平や、愛する人への想いを持ったまま亡くなった人の幽霊が多く出てくる。
夏休み後、彼女が住む自由が丘のアンナ・ミラーズでレポートを渡した。
その後の報せによると、「能について」は成績がBだったらしい。
「動機付けについて」は、彼女が全く新しいものを作り直して提出してAだったらしかった……
これは後になって気付くことだが、
「女子大生は本命の男性にはレポートの代筆を頼まない」。
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アンナ・ミラーズは、現在では2店舗のみとなってしまったが、往時は都内に20店舗以上あった。
パイを中心としたお菓子と、ウェイトレスの女性のコスチュームが特徴だった。
当時は全然そうは思わなかったし、メイド喫茶へは私は行ったことがないが、そのコスチュームは現代のメイド喫茶、コスプレ界等にも影響を与えているという。