広島の親分(3章-4)

大山15世名人への応援
「そろそろビールでも飲もか」
1階のカウンターの中には、飲み物や軽食を用意する優しそうな年配の女性がいる。昔は相当な美人だったと思える。
この女性が冷えた生ビールを持ってきてくれた。
飲みながらの取材となる。
「大山さんもいい人じゃった」
高木さんは大山15世名人との交流もあった。「大山名人と船の旅」には毎回参加している。湯川さんと知り合ったのも、この旅を通してだった。
大山会長時代の新会館建設にも資金面およびそれ以外の部分で協力した。
「大阪いうところは土地関係がいろいろと複雑でな、関西将棋会館建設のときも大山さんは土地問題で困っとった。それで、わしは裏から手をまわしてな。それからとんとん拍子にいくようなった」
高木さんは大山15世名人の1歳上で、アマチュアとはいえ木見門下で同門。大山15世名人も「高木さんと私は同門ですから」とよく言っていたという。