中倉宏美女流二段の書く文章が冴えている。
週刊将棋最新号、マイナビ女子オープン「石橋幸緒女流四段-中倉宏美女流二段戦」の中倉宏美女流二段による自戦記より。
感想戦が終わって一人外に出た。冷たい雨が降っていた。携帯の電源を入れると、ネット観戦してくれていた友人や応援者の人から残念だったねと、ねぎらいと励ましのメールが届いていた。それを読み、(ごめん、また同じ結果だったよ…)。そう、心の中でつぶやいたら、なぜか涙が溢れてきてしまった。人通りの多い雑踏の中、傘で顔が見えないようにして歩いた。
(以下略)
勝負の厳しさや負けた時の情感が生々しいほど伝わってくる、とても印象的な文章だ。
一方、Twitterではこんな感じも。
HIromiPDG 中倉宏美
友人宅でpartyなう。なぜかWの悲劇を鑑賞会。ツッコミどころ満載で盛り上がる 11月6日
HIromiPDG 中倉宏美
私は女流、女流、女流! 11月6日
HIromiPDG 中倉宏美
顔はぶたないで!私女流なんだから(笑) 11月6日
HIromiPDG 中倉宏美
友達の家に携帯忘れて、気がついたときには時すでに遅し。明日の朝宅急便で着くようにしてくれたらしい。今日は携帯のない一日。やっぱ無理だな 11月7日
文章の前後関係から推測すると、2番目と3番目のつぶやきは酔っぱらって書かれたものと思われる。
「顔はぶたないで!私女流なんだから」がとても可笑しい。
「Wの悲劇」は1984年の薬師丸ひろ子主演の映画で、その中に「「顔はぶたないで!私女優なんだから」という名台詞があり、その変形パターンといえる。
中倉宏美女流二段が書く文章は見逃せない。