“普通とは一味違う”将棋大会

twitterの方では紹介してしまったものの、あまりにも面白いのでブログでも。

杜の都加部道場の掲示板より。

“普通とは一味違う”将棋大会のお知らせ

●福 島 黒崎将棋道場 新春大会

○日 時:1月2日(日)10時開始

○会 場:黒崎道場 福島市太田町16-5

○会 費:小中学生五百円 高校生八百円 一般千二百円

○駐車場:近隣にあります

○注 意:必ず暖かい格好でお越し下さい(防寒具持参・スキー用や登山用の厚手の靴下の二枚重ねをお薦めします、お忘れの方には使い捨てカイロを差し上げます)

非常に分かり難い場所の為、初めてのお客様で駅から15分以内に到着できたお客様には粗品差し上げます。

一時間以上かかったお客様にも努力賞を差し上げます。15分以内に到着出来れば“三段”を認定します。

お車でお越しの方は一方通行が多いので千日手にお気をつけ下さい、4回繰り返しても指し直しにはなりませんので、運転の方が手を変えてください。

黒崎道場の黒崎昌一さんは指導棋士で、福島市で将棋道場を経営している。黒崎さんは広津門下で、荒巻門下の加部さんとほぼ同時期に奨励会だった。

黒崎さんのユニークさは以前も紹介したことがあるが、大きくは次の二つとのこと。

  • 切れ負け勝負での、千手観音を彷彿させるような対局時計を押す速さ
  • 話好きで、一度喫茶店に入ると10時間は序の口で、長い場合は15時間超

加部康晴さんの掲示板での書き込みより。

黒崎昌一ワールド について、

加部 康晴(593) 投稿日:2010年4月19日<月>21時36分

本人は至って真面目。むろん意識して周囲を笑わせようとしているわけじゃーない。

それなのに何となく変? そしてそれこそが面白い。

それこそが”黒崎昌一ワールド”の真髄なのです。

冒頭からなんだ? と不思議に思った人もいたかと察しますが、「黒崎昌一ワールド」ってなんですか? という質問メールが殺到?したことから、前項の補足として付記したもの。

わざ々メールで質問する人も、ワールドに嵌る資質ありとお見受けした。

まず、「黒崎昌一ワールド」を手っ取り早く体現するには、直接道場へ出向いて本人と接することでしょう。 但し初心者の人は、ペットボトルを何本か持参したほうが懸命です。

その理由は、黒崎流のいつ果てることのない長時間の話っぷりに耐えられる体力と精神力を補佐するものが必要だからです。

何ヶ月か前に、黒崎道場へ小学生の弟子M君を2泊3日で体験修業させたことがある。

そしてあえて泊りも道場という条件で、そして最大の修練が、黒崎さんに連れられ夕食を兼ねてのファミレスでのこと。そして想定通り、普通の食事時から朝方近い4時まで同所で話に昂じられたそうだ。更に、道場へ戻って小1時間の仕上げがあったとのこと。

実は、それこそが当初の修業第一目的であった。そしてM君は、その苦行を従順耐えたそうだ。それには黒崎さんからも「いゃー、M君は大したもんだ。流石に加部門下だねー、」と褒められたと訊く。

そんな出来事を訊いた普通の親なら、「えっー!」と飛び上がるところだろうが、そこは肝が座っているというか、「そうでしたか。」と別段驚くこともなく、むしろ微笑みさえ浮かべ甘受する度量に、流石の黒崎さんをしても、格の違いを痛感したそうだ。

以上はほんの一端。 すべてにおいて普通じゃないところを普通にしてしまうところが面白いわけで、それこそが「黒崎昌一の世界」と云われる所以である。

たとえば、「想い出話し」を読んで、将棋を教わりたいとか、指しに行きたい、とかは差しおいて、「黒崎さんを一回見てみたい。」という理由で尋ね、気がついたら黒崎ワールドに嵌った、という人も幾人かいたそうだ。

まあーそんなところが、黒崎昌一ワールドのさわり部分になります。

以上、

M君は、昨年の8月に奨励会に合格した三浦孝介5級(島朗九段門下)と思われる。三浦5級の今後の活躍が見逃せない。

黒崎道場へ行くための困難さについて加部さんは次のように書いている。

また、道場所在地は福島駅西口より徒歩10分。と表記していますが、これは標準としたものです。まさか、「辿り着くまで迷いに迷って優に30分なら大したもの。クルマの場合、途中、千日手の可能性あり。更に、入口を見つけるのが至難。ようやく入口に入った後、意表を突く急階段が最後の試練となります。」なんて書けませんから。

黒崎道場、一度は行ってみたい。