第1期リコー杯女流王座戦五番勝負第1局/ホテルニューオータニ物語

今日は、第1期リコー杯女流王座戦五番勝負第1局、清水市代女流六段-加藤桃子奨励会1級戦が行われる。→中継

女流棋士で長い間トップクラスを張り続けてきた清水市代女流六段と、奨励会1級を張っている加藤桃子奨励会1級の、それぞれの矜持を懸けた戦いとも言える。

歴史的な五番勝負になりそうだ。

対局場は、ホテルニューオータニ。

ホテルニューオータニでタイトル戦が行われるのは、私の記憶が確かなら、2003年竜王戦第1局(羽生竜王-森内九段戦)以来だと思う。

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ホテルニューオータニ。

私にとっては思い出のあるホテルだ……

その前に、ホテルニューオータニの歴史的な検証を行っておきたい。

ホテルニューオータニは、東京オリピックが行われた1964年にオープンした。

1967年の映画「007は二度死ぬ」では、悪の巣窟”スペクター”の舎弟企業のようなグローバル企業「オーサト化学」の本社の舞台となっている。

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また、「母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね ええ、夏、碓氷から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦藁帽ですよ」の台詞のテレビCMが非常に印象的だった1976年の映画「人間の証明」。

麦藁帽の象徴としてのホテルが、ニューオータニだった。

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ニューオータニには「トレーダーヴィックス」というレストラン・バーがある。

この店の、ポリネシア風というか無国籍風な内装の雰囲気が好きで、何度も行っていた時代があった。カップルで行くにはお薦めの店だ。

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1999年12月31日の夜から2000年1月1日にかけての話。

昔からの友人だったような女性とミレニアムな瞬間は一緒にいようと思い、1999年12月31日の22:00頃から「トレーダーヴィックス」へ行った。

店には、宿泊客の外人が多かった。

そして、1999年から2000年への変わり目。

店からシャンパンが各席へ配られ、カウントダウンが始まった。

2000年になった瞬間に、彼女と乾杯ができれば、結構最高だなと思っていた。

カウントダウンが始まる。

10、9、8、7、6・・・

秒読みの逆のようなものだ。

シャパンのグラスを持った彼女は、体を180度傾けてカウントダウンの舞台を見ていた。

2、1、0

2000年1月1日の始まり!

彼女は、私の方を向きかけた。

その瞬間に、傍に立っていたアメリカ人(というか、多くの外国の人は席を立って思い思いの場所にいた)が、突然、彼女のグラスに「カンパ~イ」とグラスをぶつけてきた。

「Happy new Year」

「ハ・・・ Happy new Year」

(エ・・・・・・)

私の、「ミレニアムの瞬間の乾杯」は、思わぬ伏兵によって、叶わぬものとなってしまった。

その後、すぐに乾杯をしたが、人生すべてタイミング。

この横ヤリ外人のせいではないが、元々うまくはいかなかったのだろう。

1:00頃、店を出て、日枝神社へ初詣。

2:00頃、ぎこちない雰囲気で別れる。

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人生、仕事も恋愛も、すべてタイミングなのだと思う。

私は、それでも、「トレーダーヴィックス」は大好きだ。