近代将棋1997年9月号、「女流棋士インタビュー♡ 高橋和女流初段 将棋以外の視野も広めたい」より。聞き手は和田美代子さん。
―今回の名人戦第5局目で、大盤解説の司会をつとめましたね。やはり緊張しますか?
プロになってもう6年ぐらいですので、そんなに緊張することはないですね。本番1分前でも30秒前でも、リラックスできる方です。
―カメラを向けられるのは平気ですか?
プロになりたての頃は相当苦手でしたが、慣れでしょうか。でも、アナウンサー方や解説の先生と一緒なので心強いし、将棋盤があるから緊張しなくてすむんです。個人で撮られた場合は、そうなれるかどうか。
―本番で失敗した苦い経験は?
失敗というか、読み上げのとき、「7七歩」のように「7七」と続くときうまく言えなくて、「ナァナラ」とか言っちゃって、スタッフの方に、「ナナコちゃん」とあだ名つけられました。いまでも会うと「ナナコちゃん、元気ィ?」なんて。
―かたくならずに、仕事できる感じですね。
ええ、力入るどころか、フニャフニャです。ふだんも、仕事のときもこんな感じ(クリクリ瞳を動かしながら、両手を頬に愛嬌たっぷり!)。アハハハ。
―今回の名人戦で、将棋以外に函館ならではの楽しみ、ありました?
NHKの方もご一緒に、函館山の夜景を見ました。感動しましたね。カップルもけっこういて、解説を務めていた兄弟子の中村(修八段)先生も一緒でした。私は思わず「ワァ、いいなあ!」
―妹弟子から見た中村先生は?叱るときも、カアッとすることない感じでは?
ないです、ないです。中村先生より、いい兄弟子はいないってぐらいいい方です。先生に初めてお会いしたのは、小学3年のときなんです。師匠(佐伯昌優八段)の道場に行き始めたとき、将棋指していただいて、中村先生からすると、そのときの和からあまり成長していないんですよ。いまだに「和ちゃんがハタチ過ぎたとは思えないんだよな」って。
(中略)
―10年後は?
結婚していたい。父親のような人がいいな。あまりしゃべらないけど、優しくて善人って感じの人です。娘がいうのもおかしいけれど。
―中村先生と似ていたりして?
あっ、似てる、似てる。和がワァーワァー言っても、それを「ハイハイ」って、わかってくれる人がいい!
(中略)
―何でも輪を広げるのが上手でしょう?
どうかな。そういえば、バスケ同好会を、バスケ部にしようと思っています。
―ヘエー。将棋連盟に、バスケットの同好会なんてあったんですか?
いえ、勝手に同好会にしているだけなんです。「やりましょう、やりましょう」と口コミ作戦で。奨励会員とか連盟の職員の方とか、10人ほど集まっています。いまのところ、まだ紅二点。いずれ、連盟に書類を提出して部に認めてもらう予定です。そして、ユニホームも作って・・・。楽しみだなあー。
(明るくて、ストンと肩の力が抜ける方でした。さらなるご活躍を!)
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高橋和女流初段(当時)の好みのタイプのイメージは、やはり大崎善生さんに重なる。
かと言って、大崎善生さんと中村修九段が似ているかというと、タイプは多少異なるかもしれない。
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高橋和女流三段は、女性将棋教室、子供将棋教室、将棋関連商品企画(ぴょんぴょんしょうぎ、将棋かるた)など、精力的に普及活動を続けている。
その中でも特に、2012年1月から始まった初心者の女性向け教室「Shogiotome」は、将棋に興味はあるけれどどこで習ったら良いのか分からない、将棋は難しいし敷居が高い、と思っている女性が気軽に来れる場所として活況を呈しており、新聞など各種の媒体で取り上げられている。
また、2月に行われたLPSAショコラトーナメント・マイルドショコラクラスでは1位、2位、3位をotomeのメンバーが独占しており、昨年の11月に行われたLPSA女子アマ将棋団体戦ではB2クラスで「Shogiotome長女」が優勝 している。
また、4月からは土曜日開講の新しいクラスも東急セミナーBE自由が丘校にて行われるようになる。
→~これから将棋をはじめたい女性たちへ~Shogiotome(しょうぎおとめ)
女性将棋ファンが増えることは将棋界にとっての福音。
今後も高橋和女流三段の活躍が楽しみだ。
和の将棋かるた 価格:¥ 1,680(税込) 発売日: |