将棋世界1992年5月号、「昇級者、喜びの声」より、村山聖六段(当時)の「順位戦の日」。(C級1組からB級2組へ)
ある朝起きてみると、その朝は今迄にない素晴らしい朝だった。
PM9時、明日の事を考え、早目に家で休む。
PM11時、本を閉じて電気を消す。
AM1時頃就寝。
AM9時頃起きる。音楽を聞きながら着替える。
AM9時30分頃会館に着く。事務所で先後を確認して対局室へ行く。
AM10時、対局が始まる。緊張感が高まっていく。
AM11時、塾生が昼の食事の注文に来る。
PM0時10分、昼食休憩になる。疲れた。早く終わりたい。
PM1時 再開。
PM2時、難しい、解らない。でも考える。
PM3時、気分が悪くなってくる。何度かトイレで吐く。
PM5時、塾生が夕食の注文に来る。
PM6時10分、苦しい、自信がない。この将棋を負けると後が苦しい。休憩中に考えるが、出来たら再開して欲しくない。
PM7時、再開。
PM8時、難しい。自信がある様な、ない様な。
PM9時、負けたくない。負けたくない。
PM10時~12時、終了。
AM1時~2時、軽く食事をして家に帰る。
AM2時~3時、音楽を聞きながら寝る。
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将棋世界同じ号のグラビアより。
撮影は師匠の森信雄五段。全勝でB2昇級を決めた翌日、大阪城公園にて。晴れ晴れとした表情だが、その際の感想を聞くと一言、”しんどかった”。
以下は電話インタビューの模様。
対局のない日は? ”毎日、連盟で将棋の勉強です。1日10時間位かな”。
麻雀が趣味とか? ”いえ、1年にせいぜい1、2回です”・
・・・後で師匠にもお話を伺おうと思うんですが。 ”そ、それはやめといて下さい・・・”。
以上、意外な一面を発見、と思いつい書いてしまいました。村山六段に多謝。
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森信雄五段(当時)が撮ったこの時のグラビアの写真は、村山聖六段(当時)が穏やかで何ともいえないようないい表情をしている。
1992年早春、とても印象的な写真だ。
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村山聖六段の「昇級者、喜びの声」。
最終局は夕方に終局しているので、これは別の(あるいは一般的な)日の順位戦の一日を書いたものと思われる。
胸が締め付けられるような文章だ。
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「麻雀は1年にせいぜい1、2回です」、と答えている村山聖六段だが、実際にはそうでもなかったようだ。