近代将棋2004年12月号、「渡辺明へ100の質問」より。
1.あなたの将棋年齢は?
千年(笑)。
2.将棋を最初に教わったのは誰からですか?
父です。
3.好きな駒は何ですか?
特に浮かびません。
4.入玉は得意ですか?
得意ではないです。というか、経験がありません。
5.一番得意な持ち時間はどのくらいですか・
5時間。実績がありますから。
6.早指しと長い将棋、どちらが得意ですか?
長いほうがいいですね。
7.和服での対局は慣れましたか?
だいぶ慣れました。
8.詰将棋を解くのは好きですか?
あまり好きじゃないです。
9.詰将棋を作ったことはありますか?
ない。
10.次の一手を解くのは好きですか?
嫌いではないが、率先してはやらない。
11.次の一手を作ったことはありますか?
あまりない。講座で必要なときくらいです。
12.自分の棋風を一言で表すと?
臨機応変、適当ともいいます(笑)
13.反則をしてしまったことはありますか?
奨励会時代に二歩を打ったことがあります。
14.実生活で「ああ自分は将棋指しだな」と実感することはありますか?
あります。
15.それはどういうときですか?
普段家にいるとき(平日の昼間に家にいるから)。
16.影響を受けた将棋の本はありますか?
谷川浩司全集。
17.お勧めの棋書があればあげてください。
ヒカルの碁(笑)。アニメは家族で見ました。
18.主な将棋の勉強法は何ですか?
棋譜並べ。
19.最近、興味ある将棋関連の話題はなんですか?
棋士の結婚。
20.将棋漫画についてどう思いますか?
ヤンケの香介しか読んだことがないのでわかりません。
*ヤンケの香介は週刊将棋に連載されていた漫画
21.ネット将棋を指しますか?
指します。
22.どのサイトでよく指していますか?
将棋倶楽部24。
23.タイムマシンがあってどの時代にも行けるとしたら、誰と将棋を指してみたいですか?
佐為(笑)。えーっと、現代の名人並みに強い過去の棋士。
*佐為は、ヒカルの碁の主人公、進藤ヒカルのもとに現れた平安時代の幽霊
24.例えば天野宗歩ですか?
宗歩よりは現代の名人のほうが強いでしょう。ヒカルの碁でいう本因坊秀策みたいな棋士です。囲碁でいう秀策みたく現代のA級棋士がたばになってもかなわないと言われている将棋棋士がいれば別です。
25.将棋をやっててよかったなあと思うのはどんなときですか?
勝って注目されるとき。
26.将棋なんかやらなきゃよかったと思うのはどんなときですか?
ないです。
27.あなたが将棋を通して得たものは何ですか?
友人と・・・自分の目標。
28.将棋をすることで失ったものはありますか?
一般的な中学高校生活。
29.ズバリ聞きます。史上最強の棋士は誰でしょう?
羽生先生じゃないですか。
30.では、そのなかで自分は何番目くらいだと思いますか?
想像がつきません。
31.初手の最善手は▲7六歩?▲2六歩?その他?
▲7六歩だと思います。
32.では、初手の最悪手は何だと思いますか?
▲8六歩でしょうね。
33.自分を勝負師だと思いますか?
昔気質の勝負師ではない。
34.公式戦でアマと指すことになったら緊張しますか?
普通です。より負けたくないとは思いますが。
35.今まで指したアマ強豪の将棋をどう見ていますか?
皆さん強いと思います。
36.自分の子供にも将棋を教えようと思いますか?
その予定はないです。子供に任せます。
37.スランプに陥ったことはありますか?
奨励会の2~1級時代。
38.どう乗り切りましたか?
自然に任せました。
39.将棋に必勝法は存在すると思いますか?
ないんじゃないかと。
40.現段階で将棋の何%を理解していると思っていますか?
60%くらい?
41.女性のプロ四段が誕生すると思いますか?
現行のシステムでは難しいでしょう。
42.では、誕生するのは何年後のことだと思いますか?
ちょっと思いつきません。
43.外国人棋士が誕生すると思いますか?
長い目で見たらあると思います。
44.では、誕生するのはいつのことだと思いますか?
そう早いことではないと思います。
45.コンピュータがA級八段になる日は来ると思いますか?
それはあると思います。いつかはわかりませんが。
46.奨励会三段リーグの制度についてどう思いますか?
特には何も。
47.十年後の名人は誰?
わかりません。
48.将棋の神様がいたとして、手合いはどうしますか?
角落ち。
49.勝って一番嬉しかった将棋は?
今は四段昇段を決めた将棋かな。
50.あなたの将棋ベスト1は?
王座戦第4局の千日手直前。
51.プロとアマの差は何だと思いますか?
将棋に費やす時間。
(つづく)
—–
渡辺明二冠が初めて竜王戦で挑戦する直前の時期に行われたインタビュー。
渡辺明六段(当時)は20歳、この年に結婚をしている。
—–
渡辺明二冠は、質問をはぐらかすようなことはしない性格。
質問に対しては、取り繕うことなく、全て真っ直ぐに答えている。
非常に小気味良いというか、好感度が高い。
—–
河出書房新社では、今年の9月に『渡辺明さんに聞く、盤上のこと、盤外のこと』(仮題)の刊行を予定しており、将棋に関することから渡辺明二冠の個人的な事柄までさまざまな質問に答えてもらおうという企画。
それに伴い河出書房新社では、ファンの方から渡辺明二冠への質問を募集している。(メールで応募)
募集期間は2014年2月28日まで。 応募者の中から抽選で10名の方に本書サイン本が送られる。
20歳の頃の渡辺明六段と現在の渡辺明二冠では、上記の質問をしても答えがだいぶ変わっているものもあると思う。
『渡辺明さんに聞く、盤上のこと、盤外のこと』(仮題)の発売が待ち遠しい。