近代将棋2003年3月号、本田小百合女流初段(当時)の「本田小百合の棋界突撃ルポ」より。
今、上海では名物の「上海カニ」が旬。これを食べないわけにはいきませんよね。
話はちょっと脱線します。
2年前に上海に来たとき、上海料理の名物は上海カニと蛇料理と聞かされました。すると中井(広恵女流名人)さんが「それは食べる一手でしょう」と提案しました。
テーブルに大きな麻袋が運ばれてゴニョゴニョ動いていました。
「中を覗きますか?」といわれましたが、さすがに誰も「けっこうです」
「蛇の生き血と肝は美容にいいのです」といわれて杯でお代わりしていたのは理絵(矢内)ちゃんでした。理絵ちゃんの顔の肌が綺麗なのは、あのときの蛇の生き血のせいなんだ、きっと。
ちなみに同席した男性陣はだれも蛇の唐揚げも生き血も口にしませんでした。
強き者、汝の名は女なり!
「私ですか、食べましたよ、ウン。ちょっとですけど」。
しかし、今回の夕食会はパス!
上海カニは食べ方があって、足をねじるようにして抜いて食べます。続いて一番美味しい甲羅の部分をバカッと開いて食べます。何度か食べているうちにすっかり上海カニの通になっちゃいました。
(以下略)
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薬のつもりで蛇の生き血を思い切って一杯だけ飲む、ということではなく、おかわりをした矢内理絵子女流三段(当時)。
これは、なかなかできることではない。
このようなことも、勝負師魂とつながっているように思える。
なかなか楽しいエピソードだ。
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歌舞伎町の奥にある上海料理店「上海小吃」は私も何度も行ったことのある店だが、ホームページを見ると、蛇の唐揚げがあった。
この店は料理の種類が非常に多く上海の家庭料理が中心だが、さすがにこのページに載っているメニューを頼んだことはない。
蛇の唐揚げが可愛く見えてくるような感じがする。