鈴木太介八段になっていた鈴木大介八段

今日はNHK杯戦の話。

私が5ヵ月近く気がつかなかったこと。

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それは、後藤元気さんがKKベストセラーズの月刊誌「一個人」のブログで書かれていたこと。

NHK杯戦2と解答その10(後藤元気が語る!将棋の世界…一個人ブログ)

ぜひ、上記の後藤元気さんの記事を読んでいただいた上で、下の写真をご覧いただきたい。

鈴木大介八段が解説だったNHK杯戦というと…私が観戦記を担当した金井恒太五段-久保利明九段戦。

早速、その時の棋譜用紙を見てみた。

たしかに、後藤元気さんが書かれている通り、棋譜用紙の備考欄の解説の鈴木大介八段の名前が、鈴木太介八段になっている!

言われてみなければ絶対に気がつかないようなことだ。

写真: DSC_0131

棋譜用紙をコピーする際に、原稿を置くガラスの絶妙な位置に小さなゴミが乗っていたことがこのようになった原因のようだ。

この時の記録係は、黒沢怜生三段(当時)と室谷由紀女流初段。

後藤さん(『将棋講座テキスト』のNHK杯観戦記の編集を担当)が、「これは室谷さんが間違えたわけではありませんので……」と鈴木大介八段に説明するのも可笑しければ、鈴木八段が「はっはっは。むしろ嬉しいですよ。大の字が太になって、偉くなった気分です」というもの面白い。

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棋譜用紙のコピーは、番組収録後に続けられる感想戦の最中に行われ、私は感想戦を必死になって見ていたため、鈴木八段と後藤さんのやりとりは、ブログを見るまで知らなかったことになる。

それにしても、この棋譜用紙は観戦記を書く時に何度も見ているのに、私は全く気がつかなかったわけで、盲点になっていたとしか言いようがない。

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この時の、観戦記には盛り込むことができなかった対局前の控え室の様子を。

久保利明九段と鈴木大介八段はゴルフの話をしていた。

金井恒太五段は、清水市代女流六段から事前のインタビューを受け、最近見ているテレビ番組、趣味、注目していることなどについて聞かれていた。

ちなみに金井五段が好きな言葉は、2文字の言葉の場合だと「信念」。

よく見ていた番組は、フジテレビ系「HERO」。

そのような会話に鈴木八段も参加してきた。

鈴木「趣味はちゃんと聞きましたか」

清水「ええ。金井さんのピアノは素晴らしいですよね」

鈴木「金井君のピアノは聴いたことがないけど、金井君のピアノを聴いた人は泣くという評判だよね。歌も泣かせる。絶対音感が素晴らしいんだろうね。久保さんは歌は?」

久保「行かないです(笑)」

鈴木「我々世代で歌がうまい人はいない。若い子でうまくないのはクロちゃんぐらい」

クロちゃんとは、黒沢怜生三段(当時)のことのようだ。

清水「普段通りだと金井さんは埼玉県出身ということになるのですが、今日は、金井さんがウィーン生まれであることをきちんと紹介しようと思っているんです」

鈴木「金井君。金井君がウィーン生まれで佐々木勇気君がジュネーヴ生まれなのに、海外生まれはみんな埼玉県出身にさせられるんじゃない?」

鈴木八段の言い方が可笑しくて、私は笑いを抑えるのに苦労をした。

たしかに将棋連盟ホームページでは、金井五段も佐々木五段も埼玉県出身となっている。

鈴木大介八段のいる控え室は、例えばこのように、明るく賑やかな雰囲気に包まれるのが特徴と言えるだろう。

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この対局の観戦記はNHK将棋講座10月号に掲載されています。

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後藤元気さんの「後藤元気が語る!将棋の世界」は、将棋に少しでも興味を持ち始めた方から将棋界に詳しい方まで、あるいは級位者から有段者まで楽しめるブログで、月2回更新されている。

後藤元気が語る!将棋の世界