近代将棋2002年7月号、マジシャンの小林恵子さんの「棋士との愉快な交遊録」より。
平成14年4月14日、第8回を迎えるチャリティの将棋祭り「十二社将棋祭り」が行われた。
この大会の特色は、性別や年齢制限なしに腕を競えること。すごく強いアマチュアから、本当に覚えたての人までが自分のレベルに合わせた5段階のクラスで戦えます。
今年も子どもから大人まで幅広い年齢層の人たちが215名も参加し、会場は熱気に包まれていました。今年は参加者が多くて、会場を2フロア借りての開催です。これほど盛況な将棋大会は、いままであっただろうかと思うほどでした。
この将棋大会を開催した由来は、阪神大震災の際になにかお手伝いはできないだろうか?とプロ棋士が集い、将棋祭りを開いたのがきっかけです。
(中略)
今年も将棋界だけでなく、三遊亭真楽さんによる落語に笑い、暁玲華さんの霊視による占い、チエ・エレナさんの手相や四柱、姓名判断などの本格的な占いに長蛇の列ができていました。そして私は、私のできるマジックをみなさんに楽しんでいただきました。
観客の選んだカードがいつの間にか封筒に移動するマジックから、夢をテーマにカードをあらかじめ予言し、観客が自らカードを分けて、1枚にしぼっていく。それが予言されたカードと一致し、夢が達成されるというもの等。いろんな物を楽しんでいただきました。
もちろん、忘れてならないのが郷田真隆棋聖、森内俊之八段、先崎学八段、中田功六段、鈴木大介七段、櫛田陽一六段、大平武洋四段、中井広恵女流名人・倉敷藤花という豪華メンバーによる指導対局とリレー将棋!将棋を指せるよろこび・プロ棋士の手に触れあえるよろこび、いろいろな楽しみ方を満喫してどの人の顔も笑顔で閉幕を迎えました。
(中略)
将棋大会のAクラスの表彰状を郷田真隆棋聖が読み上げ、続いて森内八段に交代しました。そしてまじめな顔で読み上げました。「表彰状……」と始めて最後に「……棋聖 郷田真隆」と読み上げました。
代表者ということで賞状には郷田さんの名前が書いてあるので、正直に読み上げただけなのですが、なんとなくおかしい!会場もどっと笑いの渦が起きて和やかな雰囲気に。森内さんらしいユーモアというところかしら!?
打ち上げの席では、なにやら奥で郷田棋聖と森内八段のバックギャモン勝負が行われていました。
本当に2人共頭脳ゲームがお好きなんですよね。そして、もう一方では、占いのチエ・エレナさんに手相を見てもらっています。
奨励会二段の島村健一さんは、「とっても繊細で優しい人柄。いろいろな才能が現れている」と占いに出ていました。
続いて奨励会三段の野島崇宏さんが見てもらいました。手を差し出した瞬間びっくり。すごい大きな手!さらに手のしわはあまりなく、つるっつる。このような手はスポーツ選手に多いそうです。
「おおらかで1つのことに突き進んで行くには良い手相」だとか!
(中略)
一人一人の手相を見て下さった後に皆に「もう一度手相を見せて」と、チエさんが言います。 皆が思い思いに手を差し出すと…「皆、だめねぇ。手を差し出すときに、指を開いてしまうとお金が入っても出ていってしまうのよ」と言われて皆がっかり。そんな風に喜んだり、がっかりしていると、バックギャモンを終えた森内さんが登場しました!
「ぜひ名人戦のために手相を見てもらったら?」と森内さんを紹介します。
すると、「手はしっかりと閉じています。お金が貯まるバランスの良い手相です」。スゴーイ!と皆に言われながら続いて「手にMが出ていますね」と言われています。
頭脳線、生命線、感情線、運命線の主要線がそれぞれ理想型の形に伸びて、手の平にMの字ができているものは、「ラッキーM」と言って、「どんな職業に就いても成功は間違いなし!」という相です。
そう言われると森内さんは照れたように「森内のMですから!」とユーモアたっぷりに返答していました。
もちろん、成功は自らの努力でつかむものだけれど、ほんの少し、誉めてもらうことや勇気づけてもらうことってうれしいことだなって思いました。
プロ棋士の全員の手相・手形をとって分析してみたいですね!
◯◯プロはどんな手相をしているのだろう?なんて思うと、また新しいファンの楽しみ方ができるんじゃないかな?なんて思います。
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私のイニシャルはM.M。
森内俊之九段に輪をかけたMだ。
自分の手相をしっかりと見てみた。
手の平にMはできていない…