NHK杯戦、佐藤天彦八段-郷田真隆王将戦を観戦した翌日のこと。
郷田真隆王将、佐藤天彦八段、そして解説の三浦弘行九段という、超がいくつも付くほど強い棋士3人と控え室で同じ空気を吸っていたのだからと、あることを試してみた。
将棋ウォーズでのネット対局。
これは、「棋士と一緒の空気を吸っているだけで将棋が強くなる」という説があるのだが、この理論がどれほど正しいのか試してみようと思い立ったのだった。
始める前、将棋ウォーズで三段、達成率30%台。(100%になると昇段する)
そして、指し始めると、鬼のように勝ち出し、なんと達成率が95%、四段の目前まで進むことができた。
私が四段から三段に降段したのは昨年の12月30日のこと。仙台へ向かう新幹線の中で将棋ウォーズをやっていたら、トンネルがいくつか続くところで接続切れ負けが続き、アツくなって仙台に着いてバスに乗ってからも将棋ウォーズ。しかし、そこでも負けて、三段に降段。降段すると下の段の達成率20%からスタートすることを初めて知り、かなりショックを受ける。それから正月中将棋ウォーズをやったものの復活ならず。
それが、四段復帰の一歩手前まで来ているのだ。
「棋士と一緒の空気を吸っているだけで将棋が強くなる」というのは本当だ、と強く感じた。
気分転換に郵便物を見に行くと、バトルロイヤル風間さんの『オレたち将棋ん族』〈エピソード1〉2005-2009が届いていた。
とても楽しみな本だったので、すぐに読み始める。
途中、声が出てしまうほど笑う局面が何度もあり、期待以上に面白い本。1時間半ほどで一気に読み終え、将棋ウォーズを再開する。
あと2勝か3勝で四段復帰。
・・・しかし、そこから不思議と急に勝てなくなり、気がついたら達成率が30%台と逆戻り。『オレたち将棋ん族』を読んだら、異次元の頭になってしまったのか急に勝てなくなった。
せっかく降ってきた郷田・三浦・佐藤天パワーが私の中から急に消えてしまったとは考えたくなかったので、『オレたち将棋ん族』の負のパワーがそうさせたのだろうという私の中での結論になった。
将棋で勝ち続けていた状態を急に逆の方向へ持っていくほどの強いパワーを持ったバトルロイヤル風間さんの『オレたち将棋ん族』。
スターウォーズで言えば、棋士のパワーをフォースとすると『オレたち将棋ん族』のパワーはダークサイド。
笑い過ぎて、将棋を指すのに適さないバイオリズムに変わってしまったとも考えられる。
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数日後、郷田王将へ電話取材をした。
取材終了後、試しに将棋ウォーズで一局指してみた。
すると、なんと相手が10数手で投了!
急に用事ができたのだろうが、それにしても、なんと強力なパワーなのだろうと、あらためてビックリした。
(この翌日に佐藤天彦八段に電話取材をしているが、さすがにすぐに原稿に向かわなければならない状況だったため、取材終了後、将棋ウォーズでは指せていない)
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似たようなことは、20年前にも経験している。
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