NHK将棋講座2016年3月号「村山慈明七段-森内俊之NHK杯戦」

今日は、NHK将棋講座2016年3月号の発売日。

◯表紙は深浦康市九段。

◯グラビアは、1月2日に放送された「新春お好み対局 今年にかける!東西注目棋士大集合~10分切れ負けトーナメント」の模様。出演は、山崎隆之八段、菅井竜也七段、今泉健司四段、中村太地六段、阿部光瑠六段、瀬川晶司五段、香川愛生女流三段、藤田綾女流初段。それぞれの棋士の今年の抱負も語られている。

◯「あなたの知っている/知らない」は、深浦康市九段の登場。編集部からの深浦九段への質問、前回登場の屋敷伸之九段(+奥様)から深浦九段への質問、次回登場の清水市代女流六段が深浦九段を語る、の三部構成。屋敷夫人の質問に答えた深浦九段のお子様の話がとてもいい。清水女流六段は深浦九段の何気ない気遣いを絶賛。

◯渡辺明竜王の「渡辺流 勝利の格言ジャッジメント」は最終回の月。「実戦に学ぶ格言・振り飛車編」、「実戦に学ぶ格言・居飛車編」のような構成で、これがなかなか嬉しい。

◯佐藤天彦八段の「『貴族』天彦がゆく」は最終回。羽生善治王座に挑戦した王座戦、第5局後の心境が率直かつ鮮明に語られており、心を打つ。気持ちがとてもよくわかる。非常に素晴らしい文章だと思う。

◯ルポルタージュ激戦の軌跡は、「新春お好み対局」を香川愛生女流三段がレポートする「香川女流が見た、10分切れ負けの戦い」。控え室でのエピソードなどを盛り込みながら、お好み対局とは思えぬ闘志と闘志のぶつかり合いが描かれており迫力がある。

◯後藤元気さんの「渋谷系日誌」は、渡辺竜王の講座と佐藤天彦八段のコラムが最終回であること、森下卓九段の話術のこと、森信雄七段が解説の糸谷-千田戦の控え室でのこと、書店での出来事、について。後藤さんが自粛したという、昔やっていたクイズ番組にかけたダジャレがどういうものなのか、とても気になる。

◯棋戦プレイバックは、読売新聞の小田尚英さんによる第28期竜王戦七番勝負。渡辺竜王、糸谷八段それぞれの活き活きとした個性・魅力が描かれている。竜王戦担当者ならではの秘話も。

◯別冊付録は千葉幸生六段の「千葉幸生の最新序盤戦術次の一手 相居飛車編」。次の一手形式で相居飛車の序盤戦術を効率よく理解することができる。

NHK杯戦観戦記

◯3回戦第3局 戸辺誠六段-行方尚史八段

「渋谷で見た青い海」 観戦記:椎名龍一さん

◯3回戦第4局 澤田真吾六段-広瀬章人八段

「不発に終わった新工夫」 観戦記:小暮克洋さん

◯3回戦第5局 村山慈明七段-森内俊之NHK杯

「力戦型新戦法」 観戦記:私

◯3回戦第6局 豊島将之七段-佐藤康光九段

「ある挑戦が残したもの」 観戦記:松本哲平さん

◯3回戦第7局 千田翔太五段-糸谷哲郎八段

「個性派揃いの森一門」 観戦記:大川慎太郎さん

◯3回戦第8局 藤井猛九段-北浜健介八段

「藤井振り飛車の逆転劇」 観戦記:鈴木宏彦さん


ということで、今月号には私が書いた観戦記(村山慈明七段-森内俊之NHK杯戦)が掲載されています。

森内NHK杯が見せた序盤の新構想、そして誰もが驚いた△2四歩(2図)から始まる激闘。

村山森内

テレビには映らないエピソード、森内NHK杯によって後日発見された絶妙手なども盛り込んでいます。また、4月から渡辺竜王の後を継いで講座を担当する村山慈明七段の講座にかける思いも紹介しています。

NHK将棋講座2016年3月号、面白い記事が満載ですので、ぜひご覧ください。

 

NHK 将棋講座 2016年 3月号 [雑誌] NHKテキスト