将棋世界2005年12月号、第46期王位戦「羽生王位が振り返る王位戦七番勝負」より。
―王位戦防衛おめでとうございます。
ありがとうございます。
―七番勝負を振り返っての感想は？
7局全部指すと長かったという印象ですね。すごくたくさん将棋を指したという実感があります。あと佐藤さんは本当に細かいところまで読んでいるので、将棋にはいろんな可能性があるんだなということを考えさせられたシリーズでもありました。
―十七番勝負については？
最初は同じ人とずっと対戦するのに違和感があったんですけど、だんだんそうでもなくなってきて（笑）。3ヵ月くらいずっと佐藤さんと一緒でしたから。
―ずっとタイトル戦に出ずっぱりというのはどうでしたか？
若干日程が厳しめだったかなという感じはしました。局数的にはそうでもないんですけど、移動を含めてということなので。仮に全部将棋会館での対局だったなら、こなせない量じゃありませんから。あと祝日が増えたのが困っているんです。あれはどうなんでしょうか（笑）。
（以下略）
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この年、羽生善治四冠（当時）は、
名人戦（対森内俊之名人）で3勝4敗のフルセット●
棋聖戦（対佐藤康光棋聖）で2勝3敗のフルセット●
王位戦（対佐藤康光棋聖）で4勝3敗のフルセット◯
王座戦（対佐藤康光棋聖）で3勝0敗◯
というタイトル戦戦績。
6月、7月、9月と、毎週のように番勝負があり、その間に順位戦などの対局もつく状態で、たしかに大変な日程だ。
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その後、羽生善治三冠にとっての名人戦、棋聖戦、王位戦のここ数年の戦績は次の通り。
2008年
名人戦4勝2敗◯
棋聖戦3勝2敗◯
王位戦3勝4敗●
王座戦3勝0敗◯
2009年
名人戦4勝3敗◯
棋聖戦3勝2敗◯
王位戦 －
王座戦3勝0敗◯
2010年
名人戦4勝0敗◯
棋聖戦3勝0敗◯
王位戦 －
王座戦3勝0敗◯
2011年
名人戦3勝4敗●
棋聖戦3勝0敗◯
王位戦4勝3敗◯
王座戦0勝3敗●
2012年
名人戦2勝4敗●
棋聖戦3勝0敗◯
王位戦4勝3敗◯
王座戦3勝1敗◯
2013年
名人戦1勝4敗●
棋聖戦3勝1敗◯
王位戦4勝1敗◯
王座戦3勝2敗◯
2014年
名人戦4勝0敗◯
棋聖戦3勝0敗◯
王位戦4勝2敗（1持将棋）◯
王座戦3勝2敗◯
2015年
名人戦4勝1敗◯
棋聖戦3勝1敗◯
王位戦4勝1敗◯
王座戦3勝2敗◯
この戦績を見ると、
- 名人戦で勝っても負けても、5月中に名人戦が終わっている（第5局までで終わっている→棋聖戦とは重ならない）年は、棋聖戦、王位戦、王座戦、全て勝っている
- 王位戦の対局がない年は、名人戦、棋聖戦、王座戦で全て勝っている
という傾向がある。
やはり、過密過ぎる日程は、対局結果に影響が何らか出てきそうな雰囲気がありそうだ。
