内藤國雄九段と猫

将棋世界1981年3月号、内藤國雄九段の「棋士の近況報告」より。

(近況1)

 子供の頃から山が好きだったので、昨年春に山の中腹に転宅した。

 寒い日のある朝、庭をひもじそうにうろついているノラネコに餌を与えたら、二日たった夕方仲間を二匹連れてきた。ネコどうし言葉をかわすものらしい。現在その数は五匹。夕方になると台所の入り口に丸くなって並んでいる。動物を見ているとなぜか気持ちが洗われるような思いがする。

(近況2)

 いつものように五匹のノラネコに餌を与えているところへ、新たなトラネコが現れた。仲間はずれらしく餌のところまで近づけない。

 遠目に見るトラは、転宅した夜、雨嵐の中を飛び出したままの”藤尾”に似ていた。犬は人に、ネコは家につくという。前の家に戻ろうとする道中で車にはねられたかと思っていた藤尾君が生きて帰ってきた”!

―だがトラはそれっきり姿を見せない。天気のよい休日、私はチクワを片手に「フジオ・フジオ」と呼びながら近所の路地を歩いている。

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作家で前将棋ペンクラブ会長の故・高田宏さんも、家に来たノラネコを何匹も飼い猫にしている。

私も昔、猫と暮らした時代がある。私にはあまりなつかなかったが、たまに寄ってくるととても可愛いもので、日に日に猫が好きになっていったものだ。

猫についてはもっと書きたいことがあるが、スマホからの書き込みが非常に不便なため、また別の機会にしたいと思う

今日、新しいPCを買いに行くので、落ち着くのは数日以内だと思います。