今日から斎藤慎太郎七段が羽生善治棋聖に挑戦する棋聖戦五番勝負が始まる。
私が初めて生の斎藤慎太郎七段を見たのが、昨年のNHK杯戦1回戦 平藤眞吾七段-斎藤慎太郎六段戦を観戦したときのこと。
(間違いなくスターになりそうな、近い将来の将棋界を引っ張っていく棋士の一人に必ずやなるだろう)というのが、控え室で会ってから後日の電話取材を終えるまでの間を通して私が感じた斎藤慎太郎六段(当時)に対する印象だった。
人をそらさず人柄も良く、礼儀正しくきちんとしていて、でも、ガチガチの優等生という雰囲気では全くなく、良い意味での緩やかな雰囲気を持っている、という感じ。
会った瞬間にパッとオーラを感じることができる代表格が山崎隆之八段と中村太地六段とすると、斎藤慎太郎七段はじわじわとオーラが出てくるタイプ。
棋聖戦中継ブログを見ると、羽生善治棋聖があいさつで、
「最近は将棋界をさまざまな形で取り上げていただくということが増えてきまして、大変ありがたいという風にも思っています。またですね、最近よく取り上げられているのは、大先輩の大先生と、非常に若い……あのー、はい。ちょっとやっぱり、真ん中のところもいるということを見せていかなければ、と思っております」
と語っているように、今回の棋聖戦五番勝負、大いに盛り上がってほしいものだと思う。
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昨年のNHK杯戦 平藤眞吾七段-斎藤慎太郎六段戦で私が書いた観戦記の前半三分の一がNHKテキストビューに掲載されている。
この観戦記では、平藤眞吾七段の関西棋士ならではの面白いキャラクター、解説の畠山鎮七段(斎藤慎太郎七段の師匠)の一手ごとに大きく心揺れる解説にもフォーカスを当てた。
対局前の控え室では、緊張している斎藤慎太郎六段とはほとんど目を合わせることなくスタッフや平藤眞吾七段と談笑していた畠山鎮七段だが、対局が終わって控え室に戻ると、「ここの食堂に行こう、今のうちに覚えておかなきゃな」と畠山鎮七段が斎藤慎太郎六段をNHKの食堂に連れて行って一緒に食事をしている。