昨日行われた棋王戦 藤井聡太四段-澤田真吾六段戦、澤田六段の猛攻から1図の局面。
1図は必至と解説され、誰もが澤田六段の勝ちと思った。
しかし藤井四段は、ここから▲3三成銀以下、王手を続けて121手目▲7六桂(2図)△同金▲6七歩で、この必至を振りほどいてしまう。
2図からの△7六同金が失着で、△7五玉なら後手が余していたと解説されている。澤田六段は△7五玉なら詰んでしまうと思っていたということだが、澤田六段にとっては惜しい一着だった。
藤井四段は対局後のインタビューで「今日は全体的に苦しい将棋で、20連勝できたのは僥倖としか言いようがない」と述べている。
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1図から先手が勝てると思う人はほとんどいないだろう。
藤井四段にとっては、公式戦20戦中の最大の絶体絶命の危機。
そこから勝ってしまうのだから、みんなが驚いた。
僥倖という言葉は、20連勝だけでなく、この一局に対して向けられた気持ちも強かったのだと思う。
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昨日のtwitterでは、この「僥倖」という言葉が話題として賑わっていた。
14歳なのに僥倖という言葉をよく知っている、日常ではあまり使われない言葉、などの雰囲気だった。
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私もブログで僥倖という言葉を何度か使っているなと思い出し、調べてみたら5件あった。
そのうちの1件はタイトルに使っている。
森信雄七段ご夫妻などと行った園田競馬で、生まれて初めて三連複が当たった話。
この記事の出だし、
仕掛けて仕損じなし、必殺仕事人にいそうなタイプの棋士を頭の中で考えていた。
とあるが、これは前の日の記事から続くもの。
前の日の記事→森一門の必殺仕事人(5月5日:園田競馬の一日・前編)
なぜ必殺仕事人の話になったかというと、発端は澤田真吾六段の話題からだった。
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昨日の2次会の時の話になり、なぜかヒットマンの話題となる。
そこから、澤田真吾六段は必殺仕事人に出てきたらピッタリなのではないかという話になった。
たしかに、外見的にもその通りだと思った。クールで格好いい仕事人。武器は昼間の仕事で使っている職人道具。
その話をニコニコ聞いていた森七段が、「糸谷君も必殺仕事人になれるね」。
(以下略)
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このブログの記事「僥倖」の話題の出だしの発端は澤田真吾六段。
私の頭の中だけのことだが、僥倖と澤田真吾六段は連想的に結びついている。
藤井聡太四段が僥倖という言葉を使った時の対局相手が澤田真吾六段であったことは、私にとってはサプライズのある偶然となっている。