羽生善治六冠(当時)二題

将棋マガジン1995年7月号、読者の投稿欄「コマゴマ掲示板」より。

近代将棋1995年5月号より、撮影は炬口勝弘さん。

 4月29日の岡崎将棋まつりに行って来たのですが、ここでの羽生名人・竜王のチャリティーサイン会がスゴかった。

 定員30名というところに長蛇の列ができ、締め切った後も、あきらめきれないファンが数時間並び続ける騒ぎ(その最前列にいたのがかくいう私だ)。関係者の方は「この皆さんの熱意を見て羽生先生が数枚でも余分に書いて下されば抽選にします」とのこと。果たして羽生名人・竜王はどうされたか―。

 何と当初の30枚を大幅に上回る100枚ものサインをサイン会の時間までに用意して下さったのである!!

 結局抽選抽選にはもれた私ですが、羽生名人・竜王のとられた対応に感激するとともに、自分たちの勝手な熱意の為に忙しい名人の時間をとらせてしまったことを反省しています。

 他の先生方にも力を尽くしていただきました。有難うございます。

(岐阜県 Sさん)

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30枚が50枚になっただけでも驚くのに、100枚とは本当にすごい。

羽生善治六冠(当時)とファンの方々、お互いに意気に感じる素晴らしい場面だ。

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 先日、週刊誌で、羽生さんに恋人がいることを知りました。ちょっとがっかりですけど、仕方ないと思います。でも怒りを通り越して、すごく悲しいです。何故なら、最近某雑誌のインタビューで「恋人はいない」と答えていたのを読んだばかりだからです。私は、羽生さんはウソはつかない人、恋人がいるならはっきり「います」と言ってくれる人だと、信じていました。だから今裏切られたという気持ちで一杯です。

 ところで、谷川大ファンの父は、「羽生より谷川の方が男前だ」などと言うのですが、恋人報道で羽生さんへの情熱が半減している今、私は何も反論しておりません。

(神奈川県 Oさん)

〔編集部より〕

 週刊誌のゴシップ記事より、羽生名人・竜王本人が話したことの方が信頼できると思うのですが。

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将棋世界1996年6月号、大崎善生編集長(当時)の「編集部日記」には、

4月20日(木)

 羽生さんと畠田理恵さんの熱愛発覚の記事がスポーツ紙に。羽生が何かをすれば、ワッと記事になる。本人には気の毒なことだが、未だかつてこれ程までに将棋が注目されたこともないのではないだろうか。

と書かれており、この投稿をされたOさんが読んだ週刊誌は、4月20日のスポーツ紙の後に出たものだと思われる。

後にわかったことでは、羽生六冠が畠田理恵さんにプロポーズをしたのは4月のこと。

婚約発表は7月28日。

羽生善治六冠(当時)と大安の木曜日

羽生六冠が、雑誌のインタビューで「恋人はいない」と答えていたとしても、あらゆる意味で正しい答え方だったと思う。

婚約者と恋人は別のステージだし、婚約をしているのに「恋人がいる」と答えては、婚約者以外に恋人もいるという意味にもとれてしまう。

あくまで婚約発表までは隠し通すのが筋であり、相手のいることなので、婚約をしていなかったとしても、意中の人がいるとは答えられる状況ではない。

また、名人戦、棋聖戦、王位戦を控えるなかで、「恋人がいる」と答えて取材が殺到したり、憶測記事をいろいろと流されたりしてはたまったものではない。

もうすぐ婚約発表があるとは知らない投稿者のOさんから見れば、投稿内容のように感じるのも無理はない部分もあるけれども、これは仕方がないことだったろう。

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羽生六冠は婚約記者会見で、「日頃から、結婚はまだまだ先と言っていたのに」と記者に突っ込まれたのに対して、「自分のいい加減さが分かりました(笑)。恋愛のことは、いくらウソを言ってもいいという言葉があったので、それを採用しました」と答えている。

羽生善治六冠(当時)婚約記事

タレントとファンの場合もそうだが、古来からファンが乗り越えなければならない試練ということができるのだろう。

1995年といえば、菊池桃子さんが結婚した年だった……

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