羽生善治六冠(当時)「緊張して、手に汗をかきました」

近代将棋1996年1月号、大矢順正さんの「棋界こぼれ話」より。

天皇陛下からお声をかけられている時の羽生善治六冠(当時)。将棋マガジン1996年1月号より。

 皇室の秋の園遊会に招待された羽生六冠王は、羽織姿で出席していたが、皇后陛下は羽生六冠王の紋にお気づきになられたのだろうか。

 園遊会に招待された折り、天皇陛下から、お声をかけられた様子をテレビで観た読者は多いだろうが、園遊会のニュースを報じたテレビ局は、NHKをはじめ民放もすべて羽生がらみだった。

 数多い招待客の中から羽生六冠王を選んだテレビ局はさすが見識が高い!

 将棋が日本の代表的文化であることと羽生六冠王が、1995年のヒーローであったことを国民に知らしめてくれたのであるから…。

 園遊会では皇太子からも「前にお会いしましたね」とお声をかけられた。

 実は3月に、NHKの「青春のメッセージ」で審査員として出演した羽生六冠王は、終了後のお茶会で皇太子ご夫妻と歓談をしたのである。その時のことを覚えておいてくれたと感激していた。

(以下略)

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羽生善治九段は、1993年度(1994年1月15日)の「NHK青春メッセージ」で審査員を務めている。

この時の審査員は羽生六冠以外では、森毅(数学者)、加藤久(清水エスパルス)、荻野アンナ(フランス文学者・作家)、麻生圭子(エッセイスト・作詞家)、松尾武(NHK放送総局長)。

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「前にお会いしましたね」

本当に、これ以上ないほどの、ものすごい感激だったと思う。

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羽生九段は、国民栄誉賞を受賞した2018年の春の園遊会にも招かれている。

天皇陛下は何を話された? 羽生選手・羽生二冠らへのお言葉(FNNプライムオンライン)