随筆

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終盤の話術師

将棋世界1995年12月号、伊藤博文五段(当時)の「待ったが許されるならば……」より。 10月2日に将棋世界の村井さんから電話があり、私はピンときたのが次の一手の依頼かな、それとも詰将棋かなということで、そう判断したのだが違った。 将棋世界...
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「林葉なに子さん…」

近代将棋1990年1月号、林葉直子女流王将(当時)の「直子の将棋エアロビクス」より。「ぼくは、いつも、直子、直子と、直子の名を呼んでいるんだよ!」 ああ、なんという心ニクイお言葉…! 私はどちらかというと感激派だから、こんな殺し文句を言われ...
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将棋の魔性

将棋世界1995年11月号、内藤國雄九段の連載エッセイ「将棋の魔性」より。(昨日の続きです) 卓球と将棋の共通点はどちらも一人対一人の勝負だということ。ところが著しく違っているのは勝ち負けに対する感情である。 どんなゲームでも負けると面白く...
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内藤國雄九段「追っかけギャルについてだが、これは羽生六冠王に突然生じたもので、それまでのトップ棋士には見られないものである」

将棋世界1995年11月号、内藤國雄九段の連載エッセイ「将棋の魔性」より。 暗い、ださいといわれてきた卓球が、若い人の間で人気を盛り返しているという。 テレビ取材によると東京のあるところでは、夜の11時になっても待ち時間が40分という盛況で...
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内藤國雄九段「言い訳のおかげでプライドが保たれ、希望を失わずにすむのである」

将棋世界1995年10月号、内藤國雄九段の「名勝負師は言い訳をする」より。 私の前期の順位戦の成績は6勝5敗だったが、内容からいって、勝敗が全部入れ代わっていても(そのときは5勝6敗になる)不思議ではない気がしている。勝負は紙一重の差で決ま...