随筆

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「実は俺にもB1で怖いもんが一人いるんや」

将棋世界1993年9月号、内藤國雄九段の連載エッセイ「才能」より。 「好き」と才能とが、しばしば手をつなぎあっていないところに悲劇がある。死ぬほど好きな道も、才能がないためにあきらめなければならないという人が、この世にはごまんといる。  そ...
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升田幸三実力制第四代名人「将棋は我慢くらべ」

将棋世界1994年2月号、内藤國雄九段の連載エッセイ「我慢の心」より。  ここはパパの部屋だよ、と言った息子に「きみんちのパパはお部屋があるなんて子供みたいだね」と友達が言った。そういう小話が新聞に載っている。近頃は子供に部屋があって父親に...
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内藤國雄九段「ところで棋士のNG大賞を選ぶとすれば誰になるだろうか」

将棋世界1994年3月号、内藤國雄九段の連載エッセイ「プロとNG」より。  かって加藤治郎名誉九段が述懐されたことがある。「ファンを前に色紙を書くとき、少々しくじってもそれを言葉に出したり、言い訳をしてはいけない。堂々とした態度で相手に渡す...
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「将棋に逆転の悪手はあるが、逆転の妙手はない」

将棋世界2005年8月号、内藤國雄九段の「必至について思うこと」より。  ここでちょっと余談。妙技という言葉で思い出したことがある。「将棋に妙手はないと内藤九段は言っている。そのレトリックは分かるが、観戦記者は勝者をほめる役目なのでその説に...
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大山康晴十五世名人「あんた、廊下を抜き足差し足で入ってくるけど、こっちは誰が入ってくるのか考えちゃうから困るの」

将棋世界2004年11月号、弦巻勝さんの「あの日、あの時。あの棋士と」より。  タイトル戦を撮影して30年ほどになると思う。わずかな時間の中で集中しているところを撮影するのは、場の空気と同化しなくてはならない。長い時間対局室に居ると此の空気...