王位戦第4局は、深浦康市王位が勝って2勝2敗のタイとした。→棋譜
70手目くらいまでは広瀬章人六段のほうが優勢に思えたが、深浦流の指し回しが見事で、取られるはずだった桂と角が活きる形となり押し切った。
深浦王位の強さを見せつけられた感じがする。
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王位戦第4局の昼食は、
深浦王位が、1日目親子丼で2日目シーフードピラフ。
広瀬六段が、1日目シーフードピラフで2日目茶そばとかっぱ巻き。
私の予想は、深浦王位のシーフードピラフだけが当たった。
深浦康市王位についての私の昼食予想が(一日でも)当たったときは、深浦王位が負けてしまうというジンクスがあったが、今回でそれは破られた。
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将棋世界最新号の王位戦第1局広瀬章人六段自戦解説によると、1日目の昼食(松花堂弁当)はしっかりと食べることができたが、2日目の昼食(松花堂弁当)は局面が煮詰まってきたせいか3分の1も口に入らなかった、と書かれている。
広瀬六段の2日目の昼食は、今回の茶そばのように軽い感じのものになっていくのだと思う。
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王位戦の中継ブログでは、立会人の加藤一二三九段の控室での様子が書かれている。
観戦記でも中継でも、加藤一二三九段が一人いるだけでネタが非常に増える。
6年前のことになるが、タイトル戦控室での加藤一二三九段を見たことがある。
加藤一二三九段は一人で継ぎ盤に向っていた。
たまたま私がその対面を通り過ぎる時、加藤一二三九段が一手指した。
駒が割れんばかりの勢いだった。
対局の時と同じ気合いだったのだろう。
加藤一二三九段の真摯さに心打たれたとともに、このようなド迫力で指されたら対局相手は相当な心理的圧迫感を受けるだろうなと感じた。
駒落ち指導対局であの迫力ある指し方をされたら、下手は絶対に勝てないと思う。
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竜王戦決勝トーナメント、羽生善治名人-阿久津主税七段戦は、羽生善治名人が勝って、久保利明二冠と挑戦者決定三番勝負を戦うことになった。
個人的には、千日手になった一局が非常にハラハラドキドキする展開だった。
阿久津新手の△3五同歩。この戦い方がこれから進化していくのか千日手が必然なのか、興味深いところだ。
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竜王戦挑戦者決定三番勝負の第1局はお盆休み明けの8月16日(月)に行われる。
第3局は9月の上旬。
毎年9月のこの時期は、王座戦第1局、竜王戦挑戦者決定三番勝負第3局、棋聖就位式と集中する。
例年の日程からすると、竜王戦挑戦者決定戦第3局は9月10日(金)に行われるものと予想されるのだが(昨年が9/11、一昨年が9/12)、羽生名人は9月9日(木)に王座戦第1局、9月11日(土)にJT将棋日本シリーズがあるので、挑戦者決定戦第3局の日程がいつになるのかは予測がつかない。9月17日(金)には棋聖就位式、9月22日(水)には王座戦第2局がある。
スケジュールを調整する担当者も大変だが、羽生名人のスケジュールも大変だ。
これで王位戦の挑戦者になっていたとしたら、9月1~2日、9月14~15日および前後1日ずつが必要になるので、もっと大変なことになる。
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ところが、2008年の羽生名人は、まさにこのパターンだった。
棋士別成績一覧によると、2008年9月の対局日程は、
9月3日 ● 後 木村一基八段 竜王戦挑戦者決定戦 第2局
9月5日 ○ 先 木村一基八段 王座戦第1局
9月9日 ○ 後 深浦康市王位 王位戦第6局
9月12日 ○ 後 木村一基八段 竜王戦挑戦者決定戦第3局
9月17日 ○ 後 木村一基八段 王座戦第2局
9月25日 ● 先 深浦康市王位 王位戦第7局
9月30日 ○ 先 木村一基八段 王座戦第3局
9/3、4~6、8~11、12、16~18、24~27、30とスケジュールがつながっていたことになる。