三浦弘行六段(当時)の純真

三浦弘行八段の、とても三浦弘行八段らしい六段時代の話。

将棋世界2000年5月号、「棋士達の背景 第40回 七段 三浦弘行」より。

順位戦もようやく各クラスが終了した。B級2組からは藤井猛竜王と三浦弘行六段が昇級。この二人はタイトル経験者で西村一義九段門下の兄弟弟子。大器晩成型で群馬県出身と重なる部分が多いが、期待される才能がまた一つ大きく前進した、の感が強い。

昇級を決めた数日後、三浦六段に話を聞いた。

今期の順位戦を振り返って…

「B2は強敵も多く、順位も悪いので、始まる前は昇級は意識していませんでした。ただ、第1戦の直前に可愛がっていた家の犬が死んだのです。その犬を散歩に連れていくのが私の日課でした。

その犬が死んだ後、出来れば昇級してその報告をしたいと思いました。今期あまり気合の入っていなかった私にはっぱをかけてくれたような気がします」

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私は犬も猫も大好きだが、ここまでの思いやりはなかなかできることではない。

非常に素晴らしいことだと思う。