広島の親分(2章-3)

[第二次広島抗争…「代理戦争」「頂上作戦」] 

昭和37年、岡組組長の岡敏夫は病気が原因で引退した。

岡敏夫の意向で跡目を継いだのが、呉で勢力を伸ばしていた山村組(山守組)組長の山村辰雄(金子信雄)だった。

山村組は岡組を吸収し山村組を名乗った。 

これに不服だったのが、広島で急速に力をつけ、跡目を狙っていた打越組(打本組)組長の打越信夫(加藤武)。

打越信夫はタクシー会社を経営、Y組(明石組)組長から舎弟盃を受けていた。

Y組は打越組を拠点に広島進出を目論んでいた。 

一方、この動きに危機感を持ったのが岡組出身で山村組若頭の服部武(小林旭)。

山村組は、Y組と対抗する本多会(神和会)と盃を結ぶ。

山村組系美能組の美能幸三(菅原文太)は山村辰雄に嫌気がさしており、打越組を応援する。美能自身Y組と近かった関係もある。

 この間、破門や盃外交など、様々交錯する。 

このような、抗争の火種をかかえる中、昭和38年4月 17日に争いは火を噴いた。

呉で美能組の亀井貢(八名信夫)が山村組系樋上組(槇原組)組員に射殺されるという事件が起きた。 

この事件をきっかけに山村組と打越組・美能組連合(打越、美能の関係はかなり悪化していたが)の対立は激化。

抗争が終結する昭和39年10月までに、死者9名、重軽傷者13人、逮捕者168人にのぼった。また、美能幸三が早い段階で逮捕されたため、Y組も広島へ侵攻することはできなかった。また、警察による頂上作戦により、山村、打越両組長は昭和38年9月に別件逮捕された。

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