3年前の今頃

昨日、3年前の近代将棋の「豊島将之四段への100の質問」の記事を書いたが、同じ号に、私が書いた文章も載っていた。

3年前の今頃の出来事と将棋界。

近代将棋2008年4月号、「将棋ペンクラブログ」第12回より。

1月4日(金) 

将棋ペンクラブ会報に載せる原稿を書く。広島の愛棋家であり元・的屋の大親分だった高木達夫さんの話。 

10年前に湯川博士さんと一緒に訪ねた時のことを中心に話を展開する予定だが、プロローグだけで6頁になってしまう。4回くらいの連載になるかもしれない。

1月5日(土) 

朝起きたら、ものすごく気持ちが悪い。昨晩、原稿を書いたあと、酒を飲みながら広島関係、仁義なき戦い関係の資料を読んだのだが、興が乗りすぎたのか、飲みすぎてしまったようだ。ウイスキーのボトルが半分以上空いている。原稿の続きを書こうとするが手がつかない。昼に2度吐く。自宅で飲んで二日酔いになることほど情けない話はない。 

15時に新宿の「あり」へ行く。大手マスコミ勤務のO氏と、ここで落ち合うことになっているのだ。

「あり」は今日からママが新しくなって新装開店。店に着くと、指し初め式から流れてきたO氏とともにN六段とM六段もいる。楽しく飲んだが、私は悪性の二日酔い、無理ができない。

その後、湯川博士さんとアカシヤ書店の星野さんも合流、別の席に妙齢の女性客もいたが、店にいる人のほとんどが将棋ペンクラブ会員ということになる。私の二日酔いは日付が変わっても続いていた。

1月7日(月)

田辺忠幸さんがご逝去されたという連絡が星野さんから入る。 

田辺さんには長らく将棋ペンクラブ大賞最終選考委員をつとめていただいた。洒脱な会話や酒を美味しそうに飲むときの笑顔が忘れられない。謹んでご冥福をお祈りいたします。

1月16日(水) 

東京駅で大きなバッグを持った、羽生二冠そっくりな人とすれちがった。その人のことを、とてもうらやましく思ったが、その晩、ネットを見ていると、翌日から栃木県で王将戦第1局が開催されるとあった。

彼は本物の羽生二冠だったんだ。

1月19日(土) 

将棋ペンクラブ会報の企画、高田宏会長対談の日だ。今回のゲストは写真集「棋神」を発表された写真家の中野英伴さん。場所も中野。

将棋の写真ではおなじみの中野さんだが、中野さんの思いや肉声を聞ける機会はあまりない。とても良い対談だった。私はテープ起し担当。 

対談終了後は将棋ペンクラブ新年会。二上名誉会長、青野九段、窪田六段、幹事など13名の宴会となった。

田辺忠幸さんからの新年会「出席」の返事の葉書をテーブルの上に立てかけて飲んだ。

1月28日(月) 

バトルロイヤル風間さんと飲む。バトルさんのブログでは「将棋ペンクラブのMさんと飲みすぎる。 飲みすぎたのはわたしだけか」とあったが、やはり私も飲みすぎ。バトルさんに見せてもらった1コマ漫画の数々は、オチありナンセンスありで笑えるものばかりだった。

1月29日(火) 

将棋ペンクラブ臨時幹事会。神田アカシヤ書店の向いの居酒屋にて。 

本誌でおなじみの湯川博士さん、星野アカシヤ書店店主、加賀さやかさん、出版社をリタイアしたばかりの三上さん、私の面子。 

次期最終選考委員をどうするかなどが主な討議テーマ。

2月3日(日)

高田宏会長と中野英伴さん対談のテープ起し原稿が深夜にできあがる。

気になるのは近代将棋の原稿、まだ手がついていない…。

—–

当時の舞台裏

  • 近代将棋の「将棋ペンクラブログ」は、将棋ペンクラブのパブリシティの頁で、アカシヤ書店の星野さんが奇数号、私が偶数号を書いていた。
  • 当初は将棋ペンクラブや将棋ペンクラブ大賞の紹介記事を書いていたものの、10月から3月までは将棋ペンクラブの活動的にネタがあまりない時期。それならば好きなことを書いてしまおうと思ったのがこの回。
  • 近代将棋は、この次の次の号を最後に休刊してしまう。
  • 1月4日から書き始めた原稿が「広島の親分」だった。
  • 1月5日は、新宿二丁目の「あり」の新しい二代目ママ(フジテレビ佐々木恭子アナウンサーに少し似ている)による開店日。
  • この日は日本将棋連盟で指し初め式が行われた日でもあり、指し初め式後の新年会から流れてきた方々が多かった。
  • 1月5日から6日早朝にかけて、私は数年に一度あるかないかの二日酔い。原稿には控え目にボトル半分と書いたが、本当は1本近く空いていた。「あり」ではずっと動かずに二日酔いの苦しみに耐えていた。
  • 大手マスコミ勤務のO氏は、大手新聞社の文化部勤務。
  • 1月7日に田辺忠幸さんが亡くなられたと聞いた時は、本当に驚いたとともにショックだった。前年の井口昭夫さんに続き……
  • 1月16日の東京駅、なぜ、羽生二冠(に似ていると思った人)にすぐに気がついたかというと、妙にキョロキョロしている男性がいたから。目的の新幹線の出発ホームがどこなのかを光速の勢いでさがしていたのだと思う。
  • 突然目の前に有名人が現れても、本当にその人がその有名人本人なのかどうかはすぐには判断がつかないものだ。
  • 1月19日は会報の新春対談、その後、将棋ペンクラブ新年会という流れ。今年の将棋ペンクラブ新年会は1月15日(土)、新春対談はこれから予定が決まる。
  • 1月28日にバトルロイヤル風間さんと飲んだのは、亀戸でだったと思う。何を食べたのかは憶えていない。
  • 1月29日、アカシヤ書店の向いの居酒屋の名物つまみの一つは、厚切りベーコン。この日も食べているはずだ。
  • この原稿を近代将棋へ送ったのが、メールの記録を見ると2月7日。近代将棋の締切りは毎月月末だったはずなので、この月の原稿は、非常に非常に遅れたことになる…