面白くない本

将棋世界2002年10月号、堀口一史座朝日オープン選手権者(当時)の自戦記「モーメント」より。

 私は本もいろいろ読むが最近読み始めた本はサルトルの「嘔吐」だ。サルトルのことは少ししか知らなかったが、なかなか面白いことを言っているとは、前から思っていたので、何かサルトルの代表作を一つ読んでみようと思い読み始めた。

 読み始めて思ったのは、まずこの作品は読みにくくて、そしてあまり面白くない作品だということだ。サルトルのこの小説は実存と不条理についてアントワーヌ・ロカンタンという男を主人公として書いているのだが、私は面白くないので読むのをやめようと思った。だがロカンタンが最後にどのようになるのかだけが知りたかったのでまた読み始めた。だんだん読んでいたらさすがサルトルと思う思想があり、読めたのだが、あと残り30ページという所でまだ読み切ってはいない。また時間が出来たら最後まで読もうと思う。

 さて話を将棋の解説に戻す。

(以下略)

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「嘔吐」はサルトルの1938年の作品。

サルトルをあらためてWikipediaで調べてみると、その解説自体が、何というか、私にとっては読解不能であり、「嘔吐」はサルトルの思想を体現した小説であるとのことなので、「嘔吐」が難解な作品であることは容易に想像できる。

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サルトルは、ロシアかドイツの19世紀頃の人かと思っていたが、1980年没のフランス人であることを知る。

私がいかに非哲学的な人間かがよくわかる。