将棋世界1998年6月号付録、「全棋士出題次の一手 子供の頃の得意戦法」より。藤井猛六段(当時)の項。
=ヒント=
少年時代の得意戦法は中飛車。図は当時の流行形。次の一手は渋好みの手。
〔解答〕 ▲7九金
定跡だが、今改めて見ると少し違和感がある手。▲7九金の狙いは、△7五歩▲同歩△同飛に▲7八飛から反撃しようというもの。当時はこの金引きが妙に気に入って愛用していたのを思い出す。
小学6年生頃に中飛車戦法の本を買い、それ以来奨励会の初段になるぐらいまで、中飛車と相振りしか指した記憶がない程得意戦法にしていたものだった。
今でもそうだが、私は一つの戦法に凝るタイプのようで、そろそろ矢倉でも覚えようかなと思っている今日この頃。
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▲7九金は大山康晴十五世名人が編み出した手。
大山名人の金引きの手には受けの絶妙手が多かった。
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この記事が書かれた1998年、藤井猛六段は竜王を獲得する。
藤井システムが誕生したのが1995年。藤井竜王誕生前後から、藤井システムは更に猛威をふるい始める。
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藤井システムを初めて見た時、これは振り飛車を超越した感覚だ、と感じた。
どんなに振り飛車ファンであっても、私のようなアマチュアには絶対に指しこなせない将棋。
四間飛車の名を借りてはいるが、藤井将棋そのものの体現が藤井システムなのだと思う。
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藤井竜王が誕生したのが1998年11月18日。
そして、その直後の1998年12月にデビューしたのが宇多田ヒカルだった。
連休モード第3弾は、宇多田ヒカルのデビュー曲の”Automatic”。
個人的にはこの曲を聞くと当時起こった辛い出来事を思い出してしまうが、名曲だと思う。