将棋マガジン1990年5月号、頁下「奨励会熱戦譜」の棋譜より。
郷田真隆三段が四段への昇段を決めた一局。
1990年3月7日、奨励会三段リーグ最終戦、郷田真隆三段(先)-村松央一三段戦。
矢倉の戦い。郷田三段はここまで13勝4敗。
丸山忠久三段(2位)は、最終戦を待たずにラス前で四段昇段を決めている(14勝3敗)。
残る一つの枠は、 13勝4敗の郷田三段(3位)と豊川孝弘三段(20位)の二人に絞られていた。
後手、変則的な棒銀。
ここで郷田三段は▲6四角の角交換から攻め始める。
以下、△6四同歩▲6一角△6五歩▲同歩△7三角▲3七歩。
△7三角の飛車取りに対する▲3七歩は、郷田流らしくない手だが、やむを得ないところ。
以下、△3八歩▲同飛△3四銀。
△3四銀は、先手の3六銀を△3五歩と打って僻地へ撤退させる狙い。
ここから郷田三段の猛攻が開始される。
▲4六歩△同角▲4八飛△7三角▲4五歩。
▲4五歩に△同歩は、▲同銀△4七歩▲同飛△4六歩▲3四銀△4七歩成▲4三銀成で先手勝勢。6一の角がよく利いている
後手はそういうわけにはいかないので、△3三金上▲2四歩△同歩▲4四歩△同金直。
ここから、郷田流の思い切りの良い手が出る。
▲4四同飛。
もはや、寄せが視野に入っている。
以下、△同金▲4五歩△4三金▲3五銀△同銀▲4三角成。
このままでは▲2三歩~▲3四金の攻めがあるので、後手の△3二銀の受けは必然手。
以下、▲3四馬△4六角▲4三金△同銀▲2三金△3一玉▲4三馬。
大勢決する。
以下、△4一玉▲6四歩△5二金▲5四馬△5三歩▲2一馬△9六歩▲4三桂△6二金▲6三銀まで、91手で先手勝ち
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この期の三段リーグの結果は、
☆丸山忠久三段(2位 14勝4敗)
☆郷田真隆三段(3位 14勝4敗)
豊川孝弘三段(20位 14勝4敗)
北島忠雄三段(4位 13勝5敗)
深浦康市三段(5位 12勝6敗)
佐藤秀司三段(10位 12勝6敗)
という順となった。
豊川三段は惜しくも頭ハネ。
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この対局の後のエピソードは、過去のブログ記事「1990年3月、郷田真隆四段誕生の日」で書いています。
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