「明日対局」

渡辺明竜王のブログ本「明日対局」が7月13日に発売される。

渡辺竜王のブログ「若手棋士の日記」「渡辺明ブログ」が書籍向けに再構築されたもので、今だから書ける本音が注釈で加わっていたり、奥様のめぐみさんの挿絵がブログの内容に対して絵で茶々を入れるような形になっているという。

非常に期待できそうな本だ。

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「渡辺明ブログ」が将棋ペンクラブ大賞話題賞となったのが2007年のこと。

その時の将棋ペンクラブ会報(2007年秋号)の渡辺明竜王の”受賞のことば”から。

 この度は「渡辺明ブログ」を話題賞に選んでいただき、ありがとうございます。

「ブログ」とは「ウェブログ(Weblog)を略したもの。インターネット上の日誌です。現在、大流行していて、「ブログを読めばその人がどんな人かわかる。名刺のようなもの」とまで言われています。

 私が始めたのは2003年4月。ウェブでの日誌が少しずつ広がり始めた頃で、神崎七段のを見て、自分もやってみたいと思ったのがきっかけです。

 当初、読者は200名ほどだったのですが、書き始めてから成績が上がり、この年からは毎年、タイトル戦に出場しています。たまたま時期が重なっただけかもしれませんが、何か関係があるかもしれないので、ブログを止めることはできません。(苦笑)

 現在は1日、約1万人の方に見に来て頂いています。最も多かったのは2007年3月のボナンザ戦の時で、なんと8万人。

 以前からパソコンと将棋は相性が良い、と言われていましたが、インターネットの普及により、はっきりと証明されました。タイトル戦はもちろんのこと、主要対局はリアルタイムで観戦が可能。棋譜だけでなく、写真、動画、検討の様子も配信されます。私が子供の頃は新聞や専門誌で棋譜や結果を確認していましたから、その時からは考えられないほど良い時代になったと言えると思います。

 ブログも、流行するに伴って使い易くなり、写真や図面を簡単に貼り付けられるようになりました。もちろん、ブログで情報発信をする棋士も増えてきています。

 今後はこの相性の良さを生かして、ファンの方々により面白いものを提供できるように、我々若手棋士が中心になって考えていかなければならないと思っております。もちろん、本業の将棋でも頑張ります。

 ペンクラブ大賞は自分には縁のないものだと思っていましたし、ウェブ上のものは対象外だと認識していたので驚きました。文章自体は平凡なものですが、毎日書いたという点が評価されたのだと思います。これからも、質の低さを補うべく、毎日更新を続けて行こうと考えています。ありがとうございました。

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渡辺明ブログ」は後から読んでも面白い話が多い。

私が、いつ読んでも涙が出るほど笑ってしまうのが、2006年1月のレディースオープントーナメント表彰式の話。

優勝した石橋幸緒女流四段へ対する、渡辺竜王の祝辞。

当時、この表彰式に参加した人が「歴史に残る素晴らしいスピーチだ」と感動していた。

その時の祝辞原稿が掲載されている。

レディースオープントーナメント2005表彰式。

読んでこんなに面白いのだから、表彰式の会場は大爆笑の連続だったのだと思う。

本の発売が楽しみだ。

       

明日対局。 明日対局。
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2012-07-13