加藤一二三九段が受章した「聖シルベステル騎士団勲章」

将棋世界1986年7月号、巻頭モノクログラビアの「加藤一二三九段に騎士勲章」より。

 加藤一二三九段に対する「聖シルベステル騎士団勲章」の贈呈式が、5月1日、東京・目白の東京カテドラル聖マリア大聖堂で行われた。受賞理由は、長年にわたる教会活動や社会への貢献が認められたもの。挨拶に立った加藤九段は「長年の信者としての活動が認められて非常に感激です。これからもいっそうこの道に励んで行きます」ととても嬉しそうに話していた。

(写真1コメント)

聖マリア聖堂でカリュー大司教と加藤九段一家の記念撮影。

(写真2コメント)

受章後、カリュー大司教とシャンパンで乾杯する加藤九段。最近ではあまり着なくなった和服でこの式に臨んでいた。

(写真3コメント)

NHKの沢さん、サンケイ新聞の福本さんに笑顔で「騎士勲章」の意義を説明する加藤九段。この日ばかりはさすがに加藤九段の表情は、緩みっぱなしだった。

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Wikipediaによると、聖シルベストロ教皇騎士団勲章(イタリア語読み。ラテン語では聖シルウェステル教皇騎士団勲章)は、教皇勲章の一つであり、カトリック教会、ローマ教皇への貢献や功績のあった信徒にローマ教皇庁から授与されるもので、名称は4世紀のローマ教皇、シルウェステル1世に由来するという。受章者には教皇騎士号(Pontifical Knighthood)が与えられる。

日本人での受賞者は次の通り(敬称等略)

日本画家の堂本印象(1963年)
作家の遠藤周作(1971年)
日本画家の守屋多々志(1984年)
医師で被爆者の秋月辰一郎(1985年)
将棋棋士の加藤一二三(1986年)
電通の成田豊(1988年)
医学博士の井手一郎(1991年)
作曲家の高田三郎(1992年)
大塚国際美術館館長の大塚明彦(2007年)

受賞者の顔ぶれを見ると、なかなか受賞することができない、名誉ある賞であることがわかる。

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シルベストロを英語読みするとシルベスターとなるのだろうか。

聖書に出てくる人物を英語読みすると、とても印象が変わる。

パウロはポール、ヨハネはジョン、ルカがルーク、ヤコブがジェームスなどなど。

キリスト教らしい世界が、ハリウッドのアクション大作映画のイメージに一変してしまう。