将棋世界2003年1月号付録、「平成15年 書き初め棋士の年賀状」より。
九段 郷田真隆
新しい年への抱負、と考えてみても、ピンと来る言葉が浮かんで来ない。で、私らしく?”独創”としてみた。序盤戦術が著しく進歩した現在、多くの独創、新しい作戦というのはなかなか難しいが、可能性はまだまだ残されていると思う。将棋に対して新鮮な気持ちを持ち続け、これが郷田将棋だ、というものを確立してゆきたい。
今年度前半戦は何もいいことが無かった。後半戦では巻き返せるように頑張りたいと思っている。
色紙…独創
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八段 森下卓
子供の頃、映画「日本沈没」を見たり、「ノストラダムスの大予言」を読んで、21世紀は本当に来るのかなと思っていましたが、来てしまうとあっと言う間に3年目を迎えました。
あまりの迅さに、まるでタイムマシンに乗ったような気分ですが、一コマ一コマを想い起こすと、やはり確実に時が刻まれていることを実感します。掛け替えのない一手、一局を、大切に積み重ねたいと思う2003年の初頭です。
色紙…一戦必勝
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八段 三浦弘行
昨年の成績は、今一つ満足出来るものではありませんでした。将棋界は4月からの新年度を一年の始まりとしているので、例えば年賀状に今年は頑張りますとよく書くのですが、実はまだ3ヵ月残っていると私は考えています。応援して下さる方々の年賀状とのギャップを感じてしまう事がよくあります。
そんな訳で残り3ヵ月、とにかく頑張りたいと思います。
色紙…忍
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八段 先崎学
あけましておめでとうございます。今年もどうぞごひいきに。
昨年は初の降級という辛い体験がありましたが、その後の成績はまあまあで、また、本誌にも新連載を開始したり、他にも週刊誌の連載など、忙しい日々を過ごさせて頂きました。
色紙のことばは、中国の古詩からです。花は同じく咲くけど、人は日々変化する。私にも読者の皆様にも、よい変化がおとずれる一年になりますように。それでは皆様、新年の指し初めを楽しんでください。
色紙…年々歳々花相似歳々年々人不同
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七段 久保利明
この色紙の言葉は、以前お茶の先生に頂いたものです。
意味は、読んで字のごとし、しずかに座って自分を見つめる、今では大変好きな言葉になりました。
今年は、この言葉のように、私生活でも、対局の時でも、それを思い出しながら、やっていきたいと思います。
色紙…閑座
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七段 深浦康市
年頭に誓いを立てる習慣は無いものの、毎年、”タイトルを九州に持ち帰る”という夢の再確認だけはする。そろそろ正夢となって欲しいものだ。
「英断」という言葉は師の花村元司が書いていたものを拝借させて頂いた。長考後に着手する時、一手の重みを凄く感じるようになった。その時、「英断」という言葉に背中を押してもらう。勇気をもらう。亡くなられて17年後の今も、師に見守られている気がする。
色紙…英断
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六段 木村一基
この言葉か禁酒にしようか迷いました。去年はいろんなことを経験することができました。とはいえ、成績が思うように伸びず、苦しんだ時期もありました。
何が原因かなあと思い返すと、思い当たることは一つしかありません。
「勉強不足」
これを治す方法、これもまた一つしかありません。
目標を立てるだけでなく、達成できる男になりたいものです。
色紙…一意専心
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五段 山崎隆之
2003年、新たな一年が始まります。棋士になってから5回目の新年を迎えます。本人の努力不足もあり、この5年はとても満足にはほど遠いものでした。
色紙の『隆運』の隆は隆々とのぼっていくという気持ちが込められています。己が弱いと感じる所が多々あるので、もっともっと強くなり、最後まであきらめない姿勢で隆々と上にのぼっていきたいです。当たった方、読まれている皆様も隆々とした新年の始まりです。
色紙…隆運
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三浦弘行八段(当時)が書いている通り、お正月と新年度には3ヵ月の時差がある。
1月1日と4月1日、それぞれがあることで良い意味での季節感もあったのだが、最近は国際会計基準(IFRS)を任意適用し、決算期を3月決算から12月決算に変更することを決定した日本企業が徐々に増えているようだ。
桜の花が咲く頃に新年度を迎えるという、あの何とも言えない新鮮な感覚が4月らしくてなかなか良いものだけれども、その辺の雰囲気が企業では多少変わってくるのかもしれない。
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山崎隆之五段(当時)の「読まれている皆様も隆々とした新年の始まりです」という結びが、自分にも何か良いことが起きそうな感じがしてきて、嬉しくなってくる。