谷川浩司二冠(当時)「やっぱり少しゼイタクですか」

将棋世界2004年5月号、中島一彰編集長(当時)の第29期棋王戦五番勝負〔丸山忠久棋王-谷川浩司王位〕第4局観戦記「谷川、二冠に驕りなし」より。

「苦しい将棋が多かった。第2局は完敗でしたし、今日の将棋も少しずつ、ずっと悪かった。結果は出来すぎです。運がよかったですね。(棋王は)16期ぶりの返り咲きですか……随分昔のことなので……そうですねぇ、(以前の在位の頃は)若かったですからねぇ。

 二冠についてですか……まあ、森内さんも同じように思っていると思いますが、これで羽生さんに追いついたとは考えていません。これからが大事なのだと思います。

 タイトル二つも久し振り、6年振りですか。しかし、これも続けていかないことには価値がないことで……。30代の人達でタイトルを独占されるよりは、40代でタイトルを保持することが、将棋界のためにはいいかもしれませんが。

 今年度は勝率も久し振りに7割近く残せました。ここ何年かは5割台が続いていましたからね。ただ、竜王戦や王将戦などでチャンスを逃しているので、タイトル二つ持って言うのはゼイタクなんでしょうが、もう少し優勝できるようにしなくては……やっぱり少しゼイタクですか……しかし、新年度の4月からも、また気を引き締めて臨みたいと思います」

 終局後の勝利者インタビューに答える形で、谷川は、いかにも谷川らしく、静かに落ち着いて、淡々と語った。

(以下略)

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この時、谷川浩司王位・棋王、森内俊之九竜王・王将、羽生善治名人・王座で、二冠が3人。もう一冠は佐藤康光棋聖だった。

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「まあ、森内さんも同じように思っていると思いますが、これで羽生さんに追いついたとは考えていません。これからが大事なのだと思います」は本当に実感だったのだろう。

グラフで現在の値は同じでも、過去からの面積を考えるとまだまだ追いついていないということ。

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谷川浩司九段の声と話し方を思い出しながら談話の部分を読み返すと、もっと臨場感が増してくると思う。

 

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