将棋世界1996年2月号、弦巻勝さんの「気のおけない棋士の友達 飯野健二六段」より。
飯野さんはいつも相手の立場になって話をします。
相手の人がどうしたら一番うれしいかと考えます。
そして自分もその中に入って楽しめる人です。
彼と女性の居る所へ行くと女性達は本能的にそのことが解るのか、みな彼のところに集まってしまいます。
そういう飯野さんが嫌なのか、彼と女性の居る所には行かないという人もいるくらいです。
でもその点をさし引いても、たくさんお釣りがくる朗らかで楽しい時間を彼はみなにあたえてくれます。
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「相手の人がどうしたら一番うれしいかと考えます」
場面場面でこのようなことを考えることはあっても、いつも心がけることは難しい。
このようなことをいつも意識できるようになれれば、本当に素晴らしいことだと思う。
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「彼と女性の居る所には行かないという人もいるくらいです」
ここでの”女性の居る所”は、いわゆる接待を伴う飲食店。
逆に考えれば、「相手の人がどうしたら一番うれしいかを考える」ことを実践していれば、このような店では間違いはないということになる。
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冒頭の写真の飯野健二六段(当時)がいるのは、地元の東京・下北沢の商店街なのだろう。
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下北沢は良い意味での独特な雰囲気がある街で、日本中、下北沢に似た街はないのではないかと思う。
劇団員や芸人の思いや夢が、無形のオーラとなって街中に漂っているような感じがする。
東京には長年住んでいたのに、下北沢へ行ったのは3回だけだった。
そのうちの1回が、将棋のイベントの取材だった。
→お笑い芸人による将棋イベント「将棋の王将」(NHKテキストView)
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昭和50年代は、真部一男九段と飯野健二八段が、美男子棋士の代表だった。
1979年の将棋世界の飯野四段(当時)の写真を見てもわかる。