対LPSA星組戦-7月27日の日記(3)

みみず、いや、スパゲティナポリタンサンドを温かな目で見ることができなくなった私は、我慢をしながら残りの部分を食べた。味はしなかった。スパゲティナポリタンサンドに罪はないのだが、胃のあたりがモヤモヤする。

「み、水がほしい」と頭の中で思ったのだが、「み みずがほしい」になってしまうので、会場へ戻ってから、水ではなくコーラを買った。

12:30から第2戦。

対戦相手はLPSA星組。LPSA水曜サークルに通われている方たちのチームだ。

私の向飛車、対戦相手は居飛車引角左美濃。私は途中から中飛車に転じ、飛車角交換の大捌き。うまくいったかに思えたが、慎重に受けられてみると思ったほど成果が出ていない。

星組応援団は水曜サークル講師の、蛸島五段、寺下紀子四段。

顔を上げて見てみると、星組のメンバーの方々は、ハッピーリタイアメントされたであろう人生の大先輩ばかり。温厚そうな紳士、淑女。

皆さん、本当に楽しそうに将棋を指している。見ているほうも嬉しくなってくる。

その姿を見て、私は「LPSAって本当に素敵なことをやってるなあ。いいことやってるよな」と心の底から思った。

そう思ったせいかどうかはわからないが、その後、私に緩手が続き、終盤は3手違いの敗勢。「もう、どうにでもして」と馬を引いたとき、今度は先方に緩手が続き、私が勝ちを拾うことができた。

なごやかな感想戦。

少しすると、相手の方をはじめ、星組の数名の方の視線が、私の頭の上のほうに向かい、皆さん更にいい笑顔になって会釈をした。

何だろう?と思って振り向くと、そこには石橋女流王位が笑顔で立っていた。

「こんにちは」

前日の王座戦で深夜まで対局が続いたにもかかわらず、このときの笑顔は女神そのものだった。

石橋さん、星組の皆さんの笑顔を見ただけで、少し幸せになれたような感じがした。

(つづく)