将棋世界の賀詞広告に見る37年前と今

手元にある将棋世界1972年新年号と、2009年1月号の賀詞広告を比較してみた。1972年新年号の頃は大山名人、大山王将、中原十段、中原棋聖、大山王位の時代。

1頁の広告が15件分なのは、今も昔も一緒。

1972年新年号は賀詞広告だけで12頁168件、2009年1月号が7頁半110件。

1972年の特徴は、当時は許されていた政治家の賀詞広告が11件あること。田中角栄、福田赳夫、平泉渉、迫水久常をはじめとして衆議院議員、県会議員など。それと、企業の社長など、自分の肩書きと段位を並列で載せていたということ。微笑ましくなる。

それぞれの内訳を見てみたい。

1972年

棋戦主催新聞社 8

それ以外の新聞社 4

出版社 2

政治家 11

将棋盤・碁盤店 4

駒製作 1

作家 3

道場 3

企業(段位なし) 21

企業(段位あり) 12

支部関係 40

ホテル・旅館 6

個人 54

個人には、経営している飲食店(とんかつ、てんぷら、寿司)、洋品店などの賀詞広告も含まれる。「とんかつ宝亭 代表取締役五段○○○○」というのを見ると、このとんかつ店に行ってみたくなるから不思議だ。1972年に賀詞広告を出していた「とんかつ宝亭」、ネットで調べてみると、あった。

大きなエビフライに満足!@宝亭

良心的な店なようだ。

2009年

棋戦主催新聞社 16

それ以外の新聞社 1

出版社 3

週刊誌 2

将棋盤・碁盤店 7

駒製作 6

ホテル・旅館 6

支部関係 4

企業 39

個人 18

日本アマチュア将棋連盟

日本将棋道場連合会

株式会社きしろ

NECビッグローブ

日本将棋ネットワーク株式会社

正棋会

アカシヤ書店

将棋ペンクラブ

1972年は支部関係と個人の出稿が多かったことがわかる。また、2009年になるとアマ連や将棋ペンクラブのように、当時の分類に入らないような出稿が増えている。

ちなみに、1972年新年号賀詞広告の次の頁には、棋士の住所一覧がある。本当に古き良き時代だったのだろう。隔世の感がある。