「仙台青葉まつり青空将棋教室」が素晴らしい

仙台の実家へ戻る用事があったので、仙台青葉まつり青空将棋教室の開催のタイミングに合わせて仙台へ行ってきた。

仙台青葉まつり青空将棋教室は、土曜と日曜の二日間見にいくことができた。東京でもなかなか見ることのできない、とても素晴らしいイベントだった。

加部康晴さん(日本将棋連盟宮城県支部連合会副会長)にもご挨拶できた。

私は、加部さんとお会いするのは初めてだったが、加部さんと少し話をしはじめた瞬間に加部ファンになった。

もともと、このブログで加部さんの「杜の都 加部道場」や掲示板を紹介してきて、その頃から既に加部ファンだったのだが、直接お会いできて、正真正銘本物の加部ファンになった。

江戸っ子っぽく、将棋指しっぽく、良い意味で企業人かつ自営業っぽく、とても魅力的な方だ。

加部道場の教え子の小中学生は皆「加部先生、加部先生」と慕っているし、その父兄も加部さんと非常に良いコミュニケーションがとれている。

とても理想的な姿と思った。

仙台在住(東京での案件も多いので仙台、東京が半々とのこと)の島朗九段の普及にかける意気込みにも、頭が下がる。栄光ゼミナールとの連携も素晴らしい。

本当は、私が仙台へ行ってのドタバタなども書こうと思っていた(行った一日目の昼食は「よしっ、牛タンを食べるぞ」と思って、仙台駅にある牛タンストリートへ向かったのだが、11:10頃でも長蛇の列。しかたがないので、東京でいえば歌舞伎町にあたる国分町の裏通りの店へ行って食べたこと。その店が絶妙の味だったこと。青葉祭りのお化け屋敷に入ってみたいと思ったが物凄く人が並んでいたので断念したこと。私が大好きなかき氷を食べることができたこと。年甲斐もなくソフトクリームも食べたこと。涙が出るほど懐かしい「どんどん焼き」を食べたこと。二日目は、アメリカンドッグのソーセージのかわりに蒲鉾が入ったひょうたん揚げ150円を食べて絶妙の技を感じたこと。牛串300円を食べて美味しかったこと、やはり二日目もソフトクリームを食べてしまったこと等)。

しかし、ここまで来場者が喜んでいるイベントは見ていて気持ちがいいので、私のドタバタなどはどうでもよくなった。

以下、箇条書き。(青空将棋教室のアジェンダは最後尾)

[一日目]

○佐藤康光九段vs杜の都道場小・中学生選抜チーム(平手)

杜の都道場小・中学生選抜チームは4名で、2手毎にバトンタッチ。

小・中学生選抜チーム居飛車急戦(後に七筋位取り)に対し佐藤九段がゴキゲン中飛車。

途中相談タイムが3回。加部さんが小・中学生選抜チーム4名にアドバイスする。加部さんが方針を伝えれば4人も皆すぐに納得する。なんといってもチームワークがいいし、礼儀正しい。

結果は152手で佐藤康光九段の勝ちとなったが、佐藤九段が「負けそうと思った局面が3回」というくらいの名勝負。

見ていても本当に見応えがあった。

島朗九段と鈴木環那女流初段の大盤解説も絶妙。

いまや、四~五段クラスの小・中学生選抜チームにとって、お金を出しても買えない良い経験になったのではないだろうか。今後が本当に楽しみだ。

観客数も増えて、無理矢理入っても50名くらいのテントに200名以上の観客。大盛況。

京王プラザホテルの天河戦の取材に来ていた東北放送(TBC…河北新報系・TBS系列)のスタッフが、ずっとカメラをまわし続けていた。

○佐藤康光九段サイン会

鈴木環那女流初段のサイン会も加わる。

私が仙台駅で見た牛タン店の行列よりも、もっと長い行列ができていた。

人口100万の仙台市とはいえ、1年に一度のJT杯でしか、プロ将棋に接する機会がない人も多い。そういう意味でもJT杯の位置付けは大きい。

○指導対局

希望者多数。私が将棋に熱心だった中学生時代に、このようなイベントがあったなら、本当に良い体験・思い出になったと思う。

[二日目]

二日目は、あいにくの雨で青葉祭りの人出も少なかったが、青空将棋教室のブースは熱気に溢れていた。

○目隠し対局(平手)

佐藤康光九段vs成田弥穂女子アマ王位。

昨日の杜の都道場小・中学生選抜チームの手強さ、事前の調べによる成田弥穂女子アマ王位の強さから、佐藤九段は序盤から本領発揮。

成田女子アマ王位の中飛車に対し、佐藤九段の三間飛車。

特に成田女子アマ王位が悪手を指しているわけではないのに、指し手を牽制(中飛車にした後の▲5七銀、端攻めを狙った▲9七香を結果的に悪手的にしてしまう)する、佐藤九段の構想が絶妙。

残念ながら成田女子アマ王位は敗れてしまったが、佐藤九段の強さを見せつけられた一局だった。あらためて、トッププロの強さを鳥肌が立つほど実感させられた。

それにしても、成田女子アマ王位の感情の安定度は素晴らしい。中学3年とは思えない。局後の大盤感想戦も、天河戦のときと同様に良かった。

ところで、天河戦の取材にも来ていた東北放送のディレクターが、昨日に続いてこの日も来ていた。二日目はカメラマン同行ではなく、自らがデジタルカメラで撮影。喫煙所で加部さんに「たまには休まなきゃダメだぞ」と言われていた。

5月31日、中野サンプラザで行われる、成田女子アマ王位も参加する「日レスインビテーションカップ・女流棋士トーナメント」に、この熱心な東北放送のディレクターが来てくれるかもしれない。

その時は、喫煙所で、是非彼と話をしてみたいと思っている。

○プロ棋士トークコーナー

佐藤康光九段、島朗九段、鈴木環那女流初段による30分のトークショー。

佐藤九段の棋風が20代に比べて変わった理由、三人がかつぐジンクス、その他もろもろ。全部書いてしまえば面白いのかもしれないが、そうもいかない。

ジンクスだけについていえば、佐藤九段は食べ物についてジンクスをかつぐ時もあった。

勝ち続けているときに、いつもスパゲティミートソースを頼み続けていた時期があったが、連勝が続いて、さすがに飽きてしまった。

それ以来、食べ物に関してだけはジンクスをかつがなくなったらしい。

○サプライズ

梅原克彦仙台市長が、 プロ棋士トークコーナー終了後、来訪。実力四段。

予定にはなかったが、佐藤康光九段と大盤で平手早指しで指すこととなった。

本格的矢倉戦。

島朗九段と鈴木環那女流初段の盤外解説が笑わせてくれる。

将棋ファンとして嬉しかった。

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それにしても、佐藤康光九段、鈴木環那女流初段、そして島朗九段、加部康晴さん、宮城県支部連合会の方々、東北大学将棋部の方々、青空将棋教室へ来られた将棋ファンの皆さま、有り難うございました。

「将棋の普及とはこういうものなんだ」という絶好の事例だと感じました。

「仙台青葉祭り 青空将棋教室」

5月16日(土)

13:00~佐藤康光九段vs杜の都道場小・中学生選抜チーム

14:00~佐藤康光九段サイン会

14:30~指導対局(佐藤康光九段、島朗九段、鈴木環那女流初段)

5月17日(日)

11:00~佐藤康光九段「保護者対象の講話」(場所:栄光ゼミナール)

13:00~目隠し対局(平手)

     佐藤康光九段vs成田弥穂女子アマ王位

14:00~プロ棋士トークコーナー

14:30~指導対局