駒が指から離れる瞬間の嫌な予感(内藤國雄九段)

将棋世界1999年7月号付録、「一生に一度の会心の一着&穴があったら入りたい究極の大ポカ」の内藤國雄九段の項より。

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【ヒント】

駒が指から離れる瞬間、この手は敗着になるという予感。元の形には戻れない悪手。

今回は渋い悪手。先手が内藤國雄九段で後手が阿部隆七段。

刀を抜こうとした瞬間に、阿部七段の筋の良い一手で身動きが取れなくなる。

【解答】

▲4六銀△3四歩

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自然な▲4六銀が悪手。△3四歩と打たれてみると、△7五歩からの桂取りがどうしても受からない。

以下、内藤九段のコメント。

問題図での形勢判断は難しい。飛車の動きは先手が勝っているが「7七桂」のため角が働かない。▲3四歩か▲6六歩ならどうということはなかった。▲4六銀とする瞬間△3四歩が目にうつった。次の△7五歩が受からない。金なら4七に戻れるのにとつまらないことを思った。

悪手にもプロらしい味のするものとアマ的なものとがある。私のやるミスは、いつもアマチュアのようである。

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しかし、△3四歩は指されてみると本当にいい手だ。