佐藤紳哉四段(当時)の華麗なる捌き

将棋世界2002年10月号、野月浩貴五段(当時)の「野月浩貴の将棋散歩」より。

 まずは▲佐藤紳哉四段-達正光六段戦(銀河戦)から。

 四段になった直後は、竜王戦で本戦進出など7割を超える勝率を残していた佐藤四段だが、

(中略)

 軽いノリと性格のため、遊んでいるように見られているが(ナンパを趣味としているのでやむを得ないか)、実は堅実なタイプで将棋に打ち込む姿勢も真面目だ。自分らしさを求めるあまり、やや裏目に出ている感がある。誤解してもらっては困るが、ナンパが趣味といっても声を掛けるのが好きなだけで、悪さはしないし、何と言っても成功した試しがない。

 話はそれたが、公私共にかわいがっていた先輩としては、現況の成績より活躍できると信じているのだが。

 連盟ホームページ内の子供スクール日記でも分かるように、子供の育成にかなりの情熱を注いでいる。教室のない日も講師同士が集まって、いつもより良い環境作りに励んでいる姿は称賛ものだ。

 常々この欄に載せて欲しいと言ってたので今回希望を叶えてあげることにした。

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紹介されている棋譜は、佐藤紳哉四段の次のような華麗な攻め。

photo (20)

ここから▲1八角と遠見の角が放たれる。

▲6五銀から▲6四歩の厳しい狙い。玉も飛車もラインに入っており、これが避けられない。

以下、△6二玉▲6五銀△同歩▲6四歩△7二銀▲7七桂。

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▲7七桂が快調。

ここからが更に華麗。

△5七歩▲6八金右△4八角▲6五桂△3七角成▲5四桂△7一玉▲2一飛成△3一銀▲4二桂成。

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△同金右の一手だが、▲6三歩成で先手勝勢。

野月五段は、「▲7七桂から▲6五桂や最後の▲4二桂成などセンスのある指し手が目立った」と結んでいる。

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今年の夏の出来事。

隣のテーブルで、二人の若い女性が次のような会話をしていた。

「ねえねえ、昔のホラー映画で怖いの知らない?」

「そんなの知らないよ。今のホラー映画じゃダメなの?」

「今のは、もうほとんど観ちゃった。1980年代とかでゾッとするようなのないかなあ」

この会話を横で聞いていて、私は思わず教えてあげたい衝動に駆られた。

なんといってもお薦めは「シャイニング」だ。

原作:スティーヴン・キング、監督:スタンリー・キューブリック、主演:ジャック・ニコルソン。

たとえば、廊下の奥の二人の少女の幽霊のシ-ン。いかにも不吉な雰囲気としか言いようがない。とにかく怖い。

 

しかし、突然、見知らぬ男が「お薦めの怖い映画ありますよ」と声をかけてきたら、かなり変な状況だよな、と思い、声をかけることはしなかった。

私は生まれてからこのかた、一度もナンパをしたことがないのだ・・・

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お薦めの怖い映画集

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発売日:2010-04-21

二人の少女の幽霊シーンだけでも、私の中での評価は高い。

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お薦めするのを躊躇してしまう、救いようがないほど怖い映画。

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ホラー映画ではないが、ガイラが人を食べるシーンなど、私にとってはトラウマになっている映画。怖い。