進化する羽生音楽

将棋マガジン1992年4月号、「羽生善治の次の一手&詰将棋&クイズ」より。

音楽

 八王子の実家にいた頃はテレビをよく見ていました。

 それが目黒に住むようになってからはあまり見ません。

 その代わりと言うのも変ですけど、音楽を聞く時間が多くなりました。

 ジャンルはニューミュージックがおもで、演歌とクラシックは聞きません。

 音楽を聞きながら読書をしたり、ゲームをしたり、友人とおしゃべりをするというのが一般的のようですが、僕にはそれができません。

 音楽を聞く時は音楽だけです。

 不器用なのでしょうか?

—–

2月の、羽生善治棋王(当時)の超難解な懸賞次の一手の記事にあるように、将棋マガジン1991年6月号、「羽生善治の懸賞次の一手」では、羽生棋王(当時)は次のように書いている。

ラジオを聴く

 目黒に移ってから、最近前よりもテレビを見なくなりました。代わりにラジオで音楽をよく聴くようになりました。

 今はラジオをあまり聴かなくなったというので、世間とは逆ですね。

 FM放送を聴きながら、本を読んだり、将棋の勉強をしたり、またはぼんやりとしています。

 音楽を聴きながら、何かするわけで、この方が時間を有効に使えます。ただ、トーク番組などでは、つい耳を傾けてしまうのでダメです。

 原稿を書く時は、集中できないので消します。

半年間で、

・音楽を聴きながら何かする→音楽を聞く時は音楽だけ

と変貌を遂げている。

—–

将棋マガジン1994年1月号、「林葉直子からの35の質問」より。

問5 将棋を研究するときに最も適したBGMは?

羽生 BGMはかけません。ない方がいいです。普段はクラシックを中心に音楽を聞くことは好きです。

—–

一番上の記事からほぼ2年後、羽生王座・棋王(当時)は、

・ニューミュージックがおもで、演歌とクラシックは聞かない→普段はクラシックを中心に音楽を聞く

と変化している。

羽生二冠が20歳→21歳→23歳の時の、この軌跡。

何でも試してみようという果敢な姿勢の表れかもしれない。