将棋世界1998年6月号付録、「全棋士出題次の一手 子供の頃の得意戦法」より。森内俊之八段(当時)の項。
=ヒント=
私が初段の頃に最も得意としていた原始中飛車の実戦から。3手1組の好手順は?
〔解答〕 ▲2五飛
中飛車は攻撃的でハメ手が多く、アマチュア時代私の最も好きな戦型でした。問題図では▲2五飛△5四馬▲2四歩とするのが3手1組の好手順。△同歩▲同飛で、次に▲3四飛と▲2三角の両狙いが残り、序盤早々先手が指しやすくなります。
少年時代の私はこの中飛車に限らず、升田式石田流や、横歩取りなど、派手な変化が多い将棋を好んで指していました。実戦で次の一手のような手を指して勝てるのは気分爽快。是非一度お試しいただければと思います。
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森内俊之名人の少年時代の棋風は、当たり前と言えば当たり前だが、現在とは全く正反対であったことが分かる。
それにしても、この3手1組の手順はなかなか気が付きにくいが、すこぶる味がいい。
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森内名人の奨励会入会は1982年12月2日。30年前ということになる。
羽生善治二冠、郷田真隆棋王、佐藤康光王将も同じ日に奨励会入りしている。