非常に謙虚な三浦弘行四段(当時)

将棋マガジン1994年10月号、「今月の記録」より。

〔勝率〕

 有森が少し星を落とし、代わって三浦が一位となった。その三浦だが、ある日編集部に来て、「応募の葉書を出さなかったんですけど、羽生名人の就位式に行っていいのですか?」と尋ねた。この謙虚さが、常に高勝率をあげている理由の一つなのかもしれない。二位は窪田。新四段が勝つのは毎度のことだが、二位というのは立派だ。新たにベスト10入りしたのは脇と久保。

(以下略)

—–

羽生善治名人(当時)にとっての初の名人就位式が1994年8月8日に行われた。

三浦弘行四段(当時)がプロになってから1年9ヵ月目か10ヵ月目の出来事。

この1年後、三浦五段(当時)は棋聖戦で羽生六冠に挑戦し、さらに1年後、羽生七冠から棋聖位を奪うことになる。

就位式への棋士の出席は、主催者側にとって大歓迎だし特に予約が必要なわけでもない。

このような真面目さ、謙虚さが、三浦弘行八段の大きな魅力の源泉になっている。

個人的に、とても好きなエピソードだ。