矢倉規広六段の三段時代。
将棋マガジン1993年2月号、スポットライト奨励会より。
名前からして、いかにも将棋指しに向いていそうなのがこの矢倉君。矢倉も得意戦法の一つだが、振り飛車も指しこなす自在型。序盤はやや雑だが多少の不利を気にしない終盤タイプで立石君無き今、関西では久保(利)三段と並ぶ若手のホープと言えるだろう。
非常に面白いキャラクターの持ち主で、性格的に少々抜けた所があり、程々という感覚が欠けているため笑い話のネタには事欠かない。今年の奨励会旅行でも”無礼講”の勢いを借りて大活躍し、一夜にしてその名を関東にまで轟かせる事になったとか。
また一時期パチンコにのめり込み「勝つまで止めない。勝っても止めない」というサルのような打ち方をした揚句、ほんの半月ほどでフィーバー50回分相当の大負けを喰らい、有り金スッた上に債権者多数と自己破産寸前?にまで追い込まれた事もあったりする。
ただし彼の勝負師としての才能が発揮されるのはここからで、その後もしつこく挑戦し続けたところ今度は一転して破竹の連戦連勝。結局最初の負け分に、利益が付く位儲けたらしい。
とにかく良きにつけ悪しきにつけ、乗せると怖い人物だけに、今期三段リーグ大外一気のまくりも十分期待できるだろう。
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待ち合わせの時間まで15分くらいあるので、パチンコをやって少しだけ時間つぶしをしよう、という時に限って、数字が揃ってフィーバーしてしまったりする。
札幌で一回、横須賀で一回、東中野で一回。
泣く泣く途中でやめて、タバコと交換し、待ち合わせ場所へ向かう。
普通の時は全く出ないのに。
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昔、目黒で女性と待ち合わせをした時のこと。
待ち合わせ時刻2分後に、「ごめん、30分遅れる」と携帯にメールが入ってきた。
仕方がないな、、、と思いながらパチンコ店に入って時間をつぶすことにする。
すると、案の定、数字が揃って確変モードのフィーバー。
フィーバー中に、「あと30分遅れる」とのメール。
気分は悪いが、確変モードのフィーバーが続く。
パチンコでこんなに出るのは初めてだ、と思ううちに、更に「ごめん、もう20分遅れる」とのメールが入る。
更に気分が悪くなるが、フィーバーは更に続く。
確変モードが終わった頃、相手が目黒に到着した。
約束の時刻からほぼ1時間半後。
人生の中でのパチンコに関連する運は使い果たしたのではないかと思い、その後、パチンコ店には入っていない。