将棋マガジン1995年8月号、羽生善治六冠(当時)の「今月のハブの眼」より。
先日、家にいる時は晴れで、外に出かけた時に通り雨が降って来て、びしょにしょに濡れてしまいました。
そんな訳で、最近では天気予報を見るのですが、いつもいつも必ず当たるとは限りません。
そして、先日、お天気時計というものをもらいました。
時間、温度、湿度のほかに半径20kmの8~12時間後の天気を予想する機能が付いているのです。
予想は四種類で、晴れ、上がり坂、下り坂、雨です。
これが結構正確で、80~90%ぐらいの確率で当たります。
テレビの天気予報よりは数段、信用のおけるすぐれものです。
将棋の指し手の予想もこれぐらいの確率で当たれば苦労しないのですが。
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現代の天気予報機能付き時計は、この写真のようなイメージ。
17年前も似たような雰囲気だったのかもしれない。
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ところで、羽生六冠(当時)は、誰からこのような時計を贈られたのだろう。
この原稿が書かれたのは名人戦が終わった頃で、就位式がない季節。
就位式の賞品あるいは記念品ということはまず考えられない。
ファンが名人戦の最中にお天気時計をプレゼントするというのも、不自然で考えにくい。
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そういうわけで、この時計をプレゼントしたのは、当時交際中だった畠田理恵さんである可能性が高いと思う。(この2ヵ月後に婚約発表)
羽生六冠が傘を持たずに外出してびしょにしょになった話を聞いた理恵さんが、すぐにプレゼントしたのだろう。
羽生六冠も、『お天気時計というものをもらいました』と、身内からもらったような雰囲気の書き方をしている。
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とはいえ、これらの推論は私の頭の中の妄想の世界。
全く意外な線で、先崎学六段(当時)からの贈り物だった、ということも場合の数的にはありうるかもしれないが・・・