大滝秀治さん逝く

大滝秀治さんが亡くなられた。享年87歳。

大滝秀治さんは大好きな俳優だった。

私が『大滝秀治』という俳優を初めて知ったのは高校3年の時、「うちのホンカン」というドラマでだったと思う。

感情が豊富で変わった雰囲気のオジサンだなあ、というのが第一印象だった。

正直言えば、高校生だった私にとって苦手なタイプの俳優だった。

この頃、同様に好きではなかった俳優は、成田三樹夫、石橋蓮司。

成田三樹夫も石橋蓮司も、絶対に変な雰囲気だ。

ところが、大学に入り、東京へ出てきて一人暮らしを始め、酒も飲むようになってから、私の中の意識が180度近く転換していた。

まず、石橋蓮司。

山口百恵・三浦友和主演の映画「泥だらけの純情」の、ヤクザの代貸役の石橋蓮司を見たとき、石橋蓮司の演技に魅せられた。ニヒルで非情だが人情味も持った役を好演していた。

今までの嫌いだったマイナス分の面積が、そのままプラスに符号が変わった感じ。

次に成田三樹夫。

知らぬ間に、理屈抜きで大好きになっていた。

成田三樹夫の演じる悪役ぶりが、救いのないほど極悪に感じられたので、子供の頃は嫌いだった。それが、大学生になってから良さがわかるようになってきた。

成田三樹夫さんがNHK杯将棋トーナメントの聞き手をやっているのを見たときは、腰が抜けるほどビックリした。

そして大滝秀治。

大滝秀治さんの場合は、私の中でいつごろ大好きに転換したのかは分からない。

私は、テレビドラマ「北の国から」が大好きだが、大滝秀治さんが多く出てくる前半はあまり見ていないから、「北の国から」がきっかけとなったわけではない。

「特捜最前線」も見ていなかった。

大滝秀治さんの場合は、年月を経れば経るほど、私の中での好感度がジワジワとアップしてきたのだと思う。

自分が哀しい気持ちの時、嬉しい時、普通の時、いつ大滝秀治さんを見ても、心の琴線に触れる演技だった。

大人になればなるほど大滝秀治さんの良さがわかってくる。

大滝秀治さんの趣味は将棋。

2年前のブログ記事で大滝秀治さんのことを書いている。

大滝秀治さんと将棋(前編)

大滝秀治さんと将棋(後編)

また、今日のスポニチでは、大滝秀治さんの将棋のエピソードが取り上げられている。

大の将棋ファン 中井女流六段と収録後“対局”も