1990年、将棋女子

将棋世界1990年3月号、「豆知識アレコレ」より。

 新春は札幌、横浜、池袋、春日部で、デパートの将棋まつりが開かれた。いずこも大盛況であったが、女性ファンをちらほら見かけた。

A子さん「父が将棋好きで私も少しやります。席上対局はテレビの中の棋士をそのまま見る感じで楽しいですね。昨日は春日部で、明日は横浜にいきます」

B子さん「子供が小学校の将棋部に入っています。もっと強い人と指させようと思って、朝6時におきて2時間かけてきました。羽生さんのようになるといいけど。でも、うちの子じゃむりね」

C子さん「島さんの大ファンです。じかにお会いしたくて名古屋からきました。昨年の竜王戦は残念でした。でも、もっと残念なことがありました。新聞で婚約の記事をみた時はショックだったわ。もうちょっと早く知りあえたら……。さっき島さんと少しお話をして記念写真をとり、胸につけていたネーム入りのリボンをもらいました。思い出の品にします」

 将棋まつりめぐり、将棋版ステージママ、若手棋士追っかけ。こうした女性ファンはさらにふえてほしいものである。関西のK八段はこの将棋まつりが縁で結婚した。はたしてまたロマンスが生まれるか。

—–

この3月に発行された将棋ペンクラブ会報春号で、「キムラ弁護士、将棋女子と語る」という、木村晋介会長と会員の将棋女子お二人の対談を行った。

出だしの部分は次のような文章。

 ここ数年、将棋のイベントや大盤解説会などで女性ファンを多く見かけるようになってきています。女性に対する普及活動やタイトル戦中継に代表されるネットやテレビでの将棋コンテンツの充実などが成果となって表れていると考えられますがが、そのような将棋ファンの女性は『将棋女子』と呼ばれています。指す将棋ファンと観る将棋ファンに分ければ観る将棋ファンの代表格。
好きな棋士の出るイベントには必ず参加する、旅行も兼ねてタイトル戦の前夜祭や現地大盤解説会に遠征する、歴代名人の墓参りツアーに行く、女性将棋大会に出場する、女性将棋教室に通う、ツイッターで好きな棋士の応援をするなど、人によって多少の傾向は変わるものの、将棋女子の将棋の楽しみ方は幅広いものがあります。

(以下略)

それぞれ、将棋に興味を持つきっかけ、観る・指す比率、行動範囲は異なるものの、将棋やプロ棋士が大好きなのは同じ。

とても有意義かつ面白い対談だった。

—–

私がtwitterをやって本当に良かったと感じることは、様々な方とリアルで知り合えたということ。

その中には「将棋女子」の方も多く含まれる。

ブログだけやっていてもこうはならないし、同じSNSでもmixiやFacebookも違う。Lineはもっと違う。

twitterの、他には真似のできないシステム的特性・媒体特性が光っているのだと思う。

—–

将棋ペンクラブ交流会に来られたり、直接お会いした将棋女子の方々に共通しているのは、

(1)自分というものをしっかりと持っている

(2)人柄が素晴らしい

(3)美しい

(4)大人

(5)行動力がある

ということ。

私がもっと遅く生まれていたら、どれほど楽しい将棋ライフを送れていたことだろう。

—–

以前、どこかにも書いたかもしれないが、羽生七冠フィーバーに湧いた頃の将棋女子の興味は、ほとんどが羽生七冠に集中していた。

当時、日本将棋連盟職員の方にお聞きした話でも、1995年のバレンタインデーには羽生六冠宛に超大量のチョコレートが連盟気付で送られてきたが、羽生六冠が婚約発表をした後の1996年のバレンタインデーのチョコレート数は激減してしまったという。

—–

現在の将棋女子が応援する棋士は、一極集中ではなく、複数・多岐にわたり、将棋世界最新号で関浩六段も書かれてい通り、とても安定感がある。

将棋女子は将棋界にとっての宝。

末永く将棋・将棋界・棋士を愛し続けていただければと願っている。

—–

ところで、C子さんは、もうちょっと早く知りあえていたら、どうするつもりだったのだろう。気になるところだ。