竜王戦七番勝負の昼食を展望する

渡辺明竜王に森内俊之名人が挑戦する竜王戦、第1局は千葉県野田市の「野田市市民会館」で行われる。→中継

第1局の昼食を予想する前に、今回の七番勝負の昼食を展望する上で、両対局者の昼食傾向を見てみたい。

〔両対局者の昼食傾向と戦績〕

将棋棋士の食事とおやつ によると、

渡辺明竜王のこの2年の竜王戦(8勝2敗)では、

(括弧内は1昼食を0.5戦とした時の勝敗)

カツカレー 1回(0.5勝)

カレーライス 2回(1勝)

かつ丼 2回(1勝)

親子丼 2回(0.5勝0.5敗)

牛丼 1回(0.5勝)

ポーク丼 2回(1敗)

鉄火丼 1回(0.5勝)

かにチャーハン 1回(0.5勝)

ざるそば 1回(0.5勝)

氷見うどん 1回(0.5勝)

地鶏うどん 1回(0.5勝)

鳥うどん 1回(0.5勝)

和弁当 3回(1勝0.5敗)

お刺身定食 1回(0.5勝)

森内俊之名人のこの2年の名人戦(11戦=8勝3敗)では、

(括弧内は1昼食を0.5戦とした時の勝敗)、

ビーフカレー 5回(2勝0.5敗)

ステーキカレー 1回(0.5敗)

カレーライス 1回(0.5勝)

大エビフライカレー 2回(1勝)

松花堂弁当 4回(1.5勝0.5敗)

天丼 3回(1勝0.5敗)

天ざるそば 1回(0.5勝)

豊後牛しゃぶ膳 1回(0.5勝)

するが牛のミートソーススパゲティ 1回(0.5敗)

海鮮ちらし 1回(0.5勝)

うな重 1回(0.5勝)

磯丼 1回(0.5敗)

〔今期七番勝負昼食の展望〕

渡辺明竜王は、カレー系(3回)、丼系(8回)、うどん系(3回)、和食弁当系(3回)が主力で、これだけで2年間の竜王戦の全昼食の85%を占める。

しかし今年に入ってからの王将戦、棋王戦、棋聖戦での昼食では、うどんから蕎麦へのシフト、かにチャーハンのコンスタントな採用が窺える。

これらを総合すると、今回の七番勝負での渡辺竜王は、丼系、カレー系、和食弁当系、そば系、かにチャーハンが主軸になってくるものと思われる。

一方の森内俊之名人は、カレー系だけで2年間の名人戦の全昼食の41%を占める。

森内名人の主力は、やはりカレーであり、その中でも特にビーフカレー。(森内名人には、不思議とカツカレーの採用実績が見当たらない)

森内名人に関して、もう一つ特徴的なことは、するが牛、豊後牛など牛肉への愛着があること。

これらを総合すると、今回の七番勝負での森内名人は、カレーライス系、牛肉系、和食弁当系が主軸になってくると予想される。

ポイントとしては、

  • 渡辺竜王が、カレー対抗型を仕掛けるかどうか
  • 渡辺竜王が、不敗のかにチャーハンをどこでぶつけてくるか
  • 森内名人のカレー採用率が何%になるか
  • 森内名人がどのような牛肉料理をぶつけてくるか

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第1局

野田市市民会館」は、市民会館という味気ない名称であるが、実際には国の「登録文化財」に指定されている和風建築の建物。

醤油醸造家だった茂木佐平治邸として大正13年頃に完成した家で、昭和31年に野田醤油(現在のキッコーマン)を経て野田市に寄付され、市民会館として開館した。

〔野田市市民会館での昼食実績〕

野田市市民会館で行われたタイトル戦の昼食実績は次の通り。(タイトル・段位は当時のもの)

2010年名人戦

羽生善治名人 ◯

一日目 牛しゃぶ冷やしうどん おにぎり

二日目 鶏もろみ焼

三浦弘行八段 ●

一日目 カツカレー大盛り

二日目 和牛すき焼き

[昼食予想]

前夜祭はホテルグランボワで行われるので、料理はホテルグランボワ製である可能性が高い。

ホテルグランボワ内のレストランはフランス料理「ボヌール」のみであるが、ブライダルプランを見ると、和食のコースも用意されている。

そういう意味では、中国料理を除くあらゆるメニューを前提として考えたほうが良いと思われる。

渡辺明竜王

一日目 鶏もろみ丼

二日目 天ぷらそば

森内俊之名人

一日目 ビーフカレー

二日目 天丼