将棋世界1994年6月号、大崎善生編集長(当時)の「第53期順位戦」より。
全員にチャンス<B級1組>
「こうなったらA級復帰最多記録を作りますよ」。B級1組陥落間もない頃の田中寅の言葉。手痛い敗戦であったろうが、本人は元気一杯、少しもめげていない。めげていない時の田中は強い。
若さ勢いからいって当然森内は昇級戦線に絡んでこよう。このクラスでの戦いぶりが真価の見せ所といってもいいかもしれない。噂通りの大物ならばブッチ切る可能性もある。しかし、あの手この手のベテラン勢もそう簡単に逃すとも思えない。そこが面白い。
もう一人の注目は村山。その終盤力は定評のあるところ。将棋世界のマル秘データによると、若手棋士で羽生に次いで女性ファンが多いのがこの村山なのだ。悪童そうに見えて実は可愛げもあり、強そうでなんとなく頼りない、そんな所が母性本能をくすぐるのか。一年間体調に気をつけて頑張ってもらいたい。
メンバーを見ると全員にチャンスがありそう。ということは全員がピンチでもある。熱戦が期待される。
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期初の、大崎善生編集長による順位戦予想。
この1994年度は、森内俊之七段(当時)、村山聖七段(当時)がA級に昇級、田中寅彦八段(当時)が3位と、大崎さんが注目した棋士が上位を占める結果となっている。
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羽生善治四冠(当時)に次いで女性ファンが多かったと書かれている村山聖七段。
「悪童そうに見えて実は可愛げもあり、強そうでなんとなく頼りない」
私もそうなりたいが、このようなところは天性であり、真似をしようと思ってもできるものではない。
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森信雄七段は、写真ブログ「森信雄の写真あれこれ」で山崎隆之八段について次のように書いている。
遊び好きでいそうでそうでなく、真面目そうでいてそうでもない、その辺のフランクさが山崎八段のカラーである。わからないうちにどっぷり自分のペースにはめ込んで負かすのが山崎将棋だろうか。
信頼してそうでいて不安感があり、不安がありそうで信頼できる、そういうタイプなので魅力がある?
→山崎八段と園田競馬に行く 12,19(森信雄の写真あれこれ)
森信雄七段門下で、故・村山聖九段の弟弟子の山崎隆之八段。
山崎八段にも女性ファンが多い。
村山九段と山崎八段はキャラクター的には異なるが、魅力の源泉には共通したものがあるということがわかる。