渡辺明5級と阿久津主税5級

将棋世界1995年1月号、小林宏五段(当時)の「東西奨励会成績」より。

 新入会でさっそく昇級者が出た。阿久津が入会後9勝2敗、渡邊が9勝3敗で共に5級へ昇級した。二人とも、入会試験が8勝1敗の好成績だったので5級入会でもいいんじゃないかと中村幹事と話し合った経緯がある(9勝0敗なら無条件にそうするつもりだった)。結局6級入会ということにしたのだが、これは正解だったと思う。5級で入会するよりも、5級に昇級して勢いをつけた方が良い。そういう訳で、まずは順当な昇級といえそうだ。

 渡邊は10歳で小学4年生。調べた訳ではないが、おそらく過去の新入会員の中でも10歳というのはそんなにいないと思う。比べてみても意味はないが、私が10歳の頃は将棋が指せるというだけで、アマ10級にもなっていなかったはず。これからどれ位強くなるか、ちょっと想像はつかないが楽しみではある。

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渡辺明5級が10歳、阿久津主税5級が12歳の頃。

同期入会には、橋本崇載6級(11歳)、佐藤慎一6級(12歳)、現在は囲碁将棋チャンネルで活躍している田中誠6級(13歳)もいる。

すごい期だ。

この頃、13歳で初段だったのが山崎隆之八段。

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渡邊5級、阿久津5級の5級昇級後の1ヵ月目の戦績は、渡邊5級が3勝3敗、阿久津5級が1勝4敗。

たしかに級が1つ上がると、当然といえば当然だが、厳しさも上がるようだ。

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私が10歳の時は将棋の入門書を親に買ってもらった頃で、アマ15級あるかないか。

それが10歳や11歳や12歳で奨励会員というのだから、普通の小学校高学年の子が算数を勉強している時に、既に大学院修士課程で高等数学を研究しているようなものだ。あるいはもっと差があるかもしれない。

そう考えると、やはり奨励会員や棋士はすごいと思う。