2月23日に、双峰社から桑原辰雄詰将棋作品集『榛名図式』が刊行された。
『榛名図式』は、「桑原流」と呼ばれる豪快な作風で知られる桑原辰雄さんが1987年以降に発表した詰将棋の中から120作を選んだ傑作集。
2013年12月に出版された前著『実戦に強くなるガチンコ詰将棋』の上級編であるとともに、『妙義図式』(1974年発行)、『赤城図式』(1988年発行)に続いての上毛三山を名を冠した作品集の完結編。
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桑原辰雄さんは、優秀な詰将棋作品に贈られる塚田賞で短篇、中篇部門各1回を受賞している著名な詰将棋作家。詰将棋作品は「近代将棋」入選300回以上、「将棋世界」入選200回以上、その他多数発表。また、アマ名人戦群馬県代表3回、関東アマ名人位獲得1回のアマ強豪でもある。
「桑原流」の特徴は、
- 実戦型…実際の対局に出現しそうな局面を元にした問題
- 初手の一手に苦心がある。桑原さん自身は「初手が命の桑原流」と書いている。
- 時にはゴツゴツした筋悪に見える手も出てくる、実戦的で力強い個性的な作風
詰める力のみならず、終盤力も身につけることができる詰将棋と言われている。
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序文は内藤國雄九段。
内藤九段らしい、味わいのある文章だ。
「最後に老婆心ながら、付け加えておきたい。どうしても詰まない、これは手におえないなと感じた時は、投げ出さず答えを見ることをおすすめする。そして後日改めて見直し、考えてみる。そういうことで力がついていくのである」
などは、まさに金言。
榛名図式 桑原辰雄詰将棋作品集 |
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双峰社は、将棋ペンクラブ幹事の鷲北繁房さんが出版社を退職してから興した会社。
小学校時代、テストの答案用紙に自分の名前を書くだけで3分以上かかったという字画の多い鷲北さんだが、このブログやバトルロイヤル風間さんのブログでは「Wさん」として登場している。
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